日本では、だいたい15〜30人に1人くらいが経験すると言われている、うつ病。
そうでなくても、うつっぽかったり、不安になったりといった不調を感じたことのある方は、少なくないでしょう。
ここでは、それらの症状を少しでも軽くし、幸せに生きるヒントを、医学的な視点から書いてみたいと思います。
できる範囲でいいので参考にして、みんなが幸せに生きられるようになればいいなぁ、と思います。
とりあえず。
色々やる前にまず頭に入れておいてほしいことがあります。
それは
「いまの自分でいいんだ」
と受け入れること。
ネガティブでもいい。
仕事ができなくてもいい。
失敗ばかりでもいい。
自分の嫌なところは、いったん棚に上げましょう(笑)。そんなものは、元気になってから治していけばいいし、なんなら治さなくてもいい。
いまのあなたでOK。これを忘れないようにしましょう。
朝日を浴びる。
うつがなかなか治らない人は
「朝ずっと寝ていて、朝日を浴びない」
方が多かったりします。
うつや不安の原因のひとつに「セロトニン(幸せホルモンと言われたりします)」という物質の不足がありますが、このセロトニンは朝日を浴びることで活性化します。
また、夜の睡眠を促す「メラトニン」という物質も、朝日によって分泌されやすくなります。
昼まで寝ていたりすると、これらの物質の分泌が減るので、元気も出ないし、うまく眠れない、なんてことになるんですね。
とはいえ、うつの場合は「朝が特に憂鬱」だったりするのも事実。
その場合は、せめてカーテンだけでも開ける。最近では時間を設定して自動でカーテンを開けてくれる製品などもあるので、利用しても良いでしょう。
あるいは、光を利用した目覚まし時計などもあるので、そういったのものを利用するのも手です。
時間としては、5〜10分でセロトニンが分泌され始めると言われるので、まずはそれくらいでもOK。
できれば20〜30分、散歩でもできると良いですが、まずはできる範囲からで良いので毎朝の日光浴をお勧めします。
リズム運動をする。
うつと運動の関連を調べた研究は色々ありますが、まとめると
・中強度(軽く汗が流れる程度)
・1回30分以上
・週合計2時間以上
の運動をすることによって、「抗うつ薬と同等の治療効果」「抗うつ薬以上の再発予防効果」があるということになります。
特に、ウォーキング・ジョギング・ダンス・ラジオ体操などの「リズムに乗って行う運動」はセロトニン活性効果があり、特に有効といわれています。
さらに最近ではうつ病の人は「BDNF」という、脳の栄養剤のようなものが減少していると言われるのですが、運動にはこのBDNFを増やす効果もあると言われています。
「運動できるくらいなら苦労しません!」という方もいると思いますが、そういう方にはもっと簡単なリズム運動もあります。
それは「咀嚼(噛むこと)」。
噛むことも立派なリズム運動で、セロトニン活性効果があります。
ですから、ご飯を良く噛んで食べたり、ガムを噛むことでもセロトニンは活性化します。
繰り返しになりますが、簡単なことからでいいのです。
少しずつ取り入れることで、脳は鍛えられていくので、ぜひ試してほしいと思います。
姿勢・表情を整える。
セロトニンは姿勢や表情を維持することにも関わっています。
セロトニンが低下して落ち込んでいる人は、暗い表情で猫背になっていたりしますよね。
また、難しい表情をしていると、脳の前頭前野という部分の血流が悪くなるのですが、これはうつ病の人の特徴とも一致します。
逆に言えば、姿勢や表情を整えることで、気分を改善させることもできるということです。
具体的には、笑顔でいるようにしたり、胸を張って歩くようにしたり。
「気分を変えるためには体を整える。」
これも重要な要素だったりします。
良い習慣を、続ける。
いくつか具体的な方法をご紹介しましたが、これらの効果を得る上で大切なことが「継続」です。
薬も運動もそうですが、改善したという研究では、だいたいどれも1〜2ヶ月続けた上での結果となっています。
つまり、焦らないことが大切。
さらに、続ける必要があるということは、無理も禁物。できる範囲でコツコツと、というわけです。
時にはどうしてもできない日もあるでしょう。その時はサボってもいいです。
ゆるゆると続けていけば、気づいた時には改善していたりするものですから。
最後に。
いくつかの方法をご紹介させていただきましたが、はじめにお伝えした通り、何より「自分を受け入れる」。これを忘れずに。
世の中には、自分の「悪いとこ探し」が得意な人が多過ぎるのです。
学校でも仕事でも、「あなたの課題はここだから、そこを補いましょう」のような教えが多いのも悪いのかもしれませんね(笑)
もう、そんな粗探しはやめて、自分はいつも自分の味方でいればいいと思うのです。
悩んだり立ち止まった時、このことを度々思い出して、自分を肯定していただきたいと思います。
その上で、脳にいい習慣を続けていきましょう。
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