【薬剤師執筆】経腸栄養剤の使い分け

薬の使い分け
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耳で覚える薬の使い分け〜経腸栄養剤〜【薬剤師・勉強】
経腸栄養剤の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。【薬剤師執筆】経腸栄養剤の使い分け/※2021/04/22現在の情報です。定期的に更新致しますが、最新の情...

経腸栄養剤は窒素源の違いにより、成分栄養剤・消化態栄養剤・半消化態栄養剤の3つに分類されます。

今回はそれらの使い分けについて、まとめてみます。

成分栄養剤

エレンタール®︎。

窒素源はアミノ酸であり、ほとんど消化を必要としないため、術後やクローン病などの消化器疾患で消化器を休ませたりする目的で使用されます。

脂肪含有量も必要最小限に抑えてあるため、膵疾患などの場合にも適します。ただし、長期投与の際は脂肪酸欠乏に注意。

袋タイプとボトルタイプがあります。

<フレーバー>
・オレンジ味・パイナップル味・青りんご味
・コーヒー味・グレープフルーツ味
・ヨーグルト味・フルーツトマト味
・さっぱり梅味・マンゴー味・コンソメ味

エレンタール®︎Pは2歳未満の新生児・乳幼児のための製剤。こちらのフレーバーは「フルーツミックス味」があります。

消化態栄養剤

ツインライン®︎。

窒素源はアミノ酸・ジペプチド・トリペプチドであり、こちらもあまり消化を必要としません。

脂質も少なめですが、エレンタール®︎よりは含有しています。

「ツイン」と名のつく通り、用時A液とB液を混合して使用します(1剤化すると加熱滅菌時にアミノ酸とブドウ糖がメイラード反応を起こすため分けている)。

「NF」は「New Formula(新式)」の略で、ビタミンK含有量を1/10にし、問題となっていたワルファリンとの相互作用を減じたもの(後述のラコール®︎も同様)。

半消化態栄養剤

窒素源はタンパク質であり、多少の消化が必要となるため、ある程度の消化機能が保たれている場合に適応となります。

脂質もエレンタール®︎・ツインライン®︎より多めに含まれています。

牛乳由来のタンパク質(カゼイン)を使用しているため、牛乳アレルギーの場合には禁忌です。

エレンタール®︎・ツインライン®︎と比べると飲みやすく、経口栄養剤として汎用されています。

以下、それぞれの特徴を解説します。

エンシュア®︎

わが国で初めに販売された半消化態栄養剤。

味はバニラ・コーヒー・ストロベリーがあります。缶のため廃棄が面倒かも。

後述のラコール®︎にもいえることですが、ビタミン・微量元素の欠乏(セレン欠乏による心筋障害・爪の白色変化など)を起こすことがあり、長期栄養管理の面では後述のエネーボ®︎・イノラス®︎が優れています。

各成分の含有量を約1.5倍にした「エンシュア®︎・H」もあり。こちらは、バニラ・コーヒー・バナナ・黒糖・メロン・ストロベリー・抹茶と味が豊富。

ラコール®︎

日本人の栄養バランスに合わせた組成とされています。

エンシュア®︎に比べ脂質が少ないため、下痢が起こりにくいかもしれません。

粘度が比較的小さく、経管投与しやすいメリットもあります。

味は、ミルク・バナナ・コーヒー・コーン・抹茶(400mLはミルクのみ)。パウチのため廃棄は容易。

内用液のほか、胃瘻専用の半固形剤もあり「経管投与が短時間で行える」「消化機能の維持が期待できる」「下痢が少ない」などの特徴があります。

エネーボ®︎

ラコール®︎・エンシュア®︎で欠乏しがちであったセレン・カルニチン・クロム・モリブデンなどの微量元素を補ったもの。

タンパク質の配合比率を高めたり、整腸作用のあるフラクトオリゴ糖を配合するなどの工夫もされています。

バニラ味。缶のため廃棄が面倒かも。

イノラス®︎

1mL当たりの熱量が1.6kcalと高く、タンパク質の含有量も多いほか、ビタミンDの含有量も多く、特に高齢者のフレイル・サルコペニア対策などとして期待されています。

ただし、高タンパクなことは消化・腎臓に負担をかける可能性もあるため、適宜ラコール®︎などとの使い分けも必要です。

エネーボ®︎同様、微量元素も配合されています。

3パウチで1日に必要なビタミン・微量元素を充足できるよう設計されています。

味は、ヨーグルト・りんご・コーヒー・いちご。

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