【薬剤師執筆】制吐薬の使い分け

薬の使い分け
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耳で覚える薬の使い分け〜制吐薬〜【薬剤師・勉強】
制吐薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。【薬剤師執筆】制吐薬の使い分け/※2021/02/01現在の情報です。定期的に更新致しますが、最新の情報は添付...

胃腸障害や薬の副作用、心因性など様々な原因で起こりうる悪心・嘔吐。

今回はそれらに使用する制吐薬について、まとめてみます。

D2受容体拮抗薬

・ナウゼリン®︎(ドンペリドン)
・プリンペラン®︎(メトクロプラミド)
・ノバミン®︎(プロクロルペラジン) など

ナウゼリン®︎(ドンペリドン)

血液脳関門を通りにくいため、錐体外路症状などの中枢性副作用があまり起こりません。そのため、抗精神病薬服用患者やパーキンソン病患者にも使用しやすい薬です(パーキンソン病治療薬の使い分け参照)。

また、妊娠中は「禁忌」となっていますが、授乳に対する評価はHale分類で最も安全な「L1」です。

プリンペラン®︎(メトクロプラミド)

こちらは血液脳関門を通過するため、錐体外路症状などの中枢性副作用に注意。

また、妊娠に対するオーストラリア基準では最も安全な「A」、授乳に対するHale分類でも2番目に安全な「L2」です。

一般に「妊娠中はプリンペラン®︎、授乳中はナウゼリン®︎」とされることが多いです。

ノバミン®︎(プロクロルペラジン)

主に中枢で効果を発揮するため、オピオイド投与時などの制吐薬として使用されることが多いです。

消化管に原因がある場合は「ナウゼリン®︎」「プリンペラン®︎」が適しています。

「統合失調症」の適応もありますがこの目的で使用することは少ないです。

5-HT3受容体拮抗薬

抗がん剤による悪心・嘔吐のうち、急性のものに効果が高いです。

この薬が処方されていたら、催吐性リスクの高い抗がん剤を使用していると予想されます。

一般的に抗がん剤投与前に院内で点滴 or 内服となるため、薬局で調剤することは少ないかもしれませんが、事前に処方しておき、当日病院に持参するよう指示されるかもしれません。

内服は「カイトリル®︎(グラニセトロン)」「ナゼア®︎(ラモセトロン)」などがあり、抗がん剤投与1時間前に服用します。

NK1受容体拮抗薬

抗がん剤による急性・遅発性の悪心・嘔吐に有効です。

この薬が処方されていたら、催吐性リスクの高い抗がん剤を使用していると予想されます。

内服では「イメンド®︎(アプレピタント)」があります。

「初日は抗がん剤投与1時間〜1時間30分前に125mgを内服、2日目・3日目は午前中に80mgを内服」が一般的な用法ですが、抗がん剤投与が遅い時間だった場合は午後の服用に変更することもあります。

1クール分(125mg•80mg•80mg)で1シートにした「イメンド®︎カプセルセット」を院外で処方し当日に持参するよう指示される場合や、125mgのみ院内で交付・内服し、院外では80mg×2を処方される場合があります。

その他

抗がん剤による遅発性嘔吐に「デカドロン®︎」、突出性嘔吐に「ジプレキサ®︎」、予期性嘔吐に「ワイパックス®︎」などが用いられることがあります。

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