【薬剤師執筆】抗甲状腺薬の使い分け

薬の使い分け
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耳で覚える薬の使い分け〜抗甲状腺薬〜【薬剤師・勉強】
抗甲状腺薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。抗甲状腺薬の使い分け/※2021/03/01現在の情報です。定期的に更新致しますが、最新の情報は添付文書や...

甲状腺機能亢進症の原因として最も多いのはバセドウ病で、20〜40代の女性に多く、男女比は1:5程度です。

今回はその治療薬である抗甲状腺薬の使い分けについてまとめてみます。

チアマゾール(MMI:メルカゾール®︎)

効果発現の早さと忍容性、維持期は1日1回でよいという利便性から、第一選択薬として使用されます。

添付文書上は重症の場合で40〜60mg/日と記載されていますが、安全性の面からはMMIは15mg/日までとし、重症の際はヨウ化カリウムを併用することが推奨されています。

甲状腺機能が正常化してきたら漸減し、維持期は隔日投与などにすることもあります。薬剤師の方は、この維持期の処方を目にすることが多いかもしれませんね。

少量投与や隔日投与で半年間、甲状腺機能が正常化していれば、中止を考慮することもあります。

糖衣錠のため割りにくい薬剤師泣かせの薬でしたが、フィルムコーティングに変更となった上、半量の2.5mg錠が発売となり、調剤上の利便性が向上しました。その分規格違いのミスには注意。

プロピルチオウラシル(PTU:チウラジール®︎/プロパジール®︎)

チアマゾールは妊婦禁忌ではないものの、胎児奇形などのリスクが指摘されており、絶対過敏期・相対過敏期を含む妊娠16週未満は投与を避けたい薬。

ただ、病気を放置することは妊娠高血圧や流産のリスクを上げてしまいます。

そのため挙児希望のある方に対しては、こちらのPTUが優先されることがあります。

300mg/dayくらいから開始し、症状安定とともに漸減。

ただ、チアマゾールと比べ有効性に劣ることや、無顆粒球症・肝障害・皮疹といった副作用があらわれやすい点には注意が必要です。

その他、ANCA関連血管炎症候群というものがあり、特にPTU1年以上を使っている方などに発熱・風邪症状・関節痛・筋肉痛などがあらわれた場合、注意が必要です。

ヨウ化カリウム(丸/粉末)

処方頻度は少ないですが、甲状腺クリーゼや手術前などで急速に甲状腺ホルモンを下げたい時や、抗甲状腺薬が副作用で使用できない時などに用いられます。

特に無顆粒球症は交差反応がみられるため、MMIとPTUのいずれかで発症した場合は、基本的にもう一方も使用できません。ヨウ化カリウムはそのような際の選択肢となります。

長期投与により甲状腺腫を逆に誘発したり、ヨウ素中毒・高カリウム血症があらわれたりすることがあるため、注意が必要です。

block and replace 療法

患者さんの中には、抗甲状腺薬が多いと甲状腺機能が低下し、かといって薬を減らすと症状が発現してしまう、といった不安定な方もいます。

そういった場合に、抗甲状腺薬と甲状腺ホルモン薬(チラーヂン®︎など)を併用する block and replace 療法が行われる場合があります。

ただし、有用性については現在ではやや否定されているため、推奨度はあまり高くありません。

コメント

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