【薬剤師執筆】漢方薬(腰痛・関節痛・神経痛)の使い分け

薬の使い分け

腰痛・関節痛・神経痛に悩まされる人はとても多いですが、鎮痛薬が奏効しなかったり、副作用で使いづらかったりすることも多く、漢方薬の出番となることもあります。

今回はそれらの使い分けについて、まとめてみます。

八味地黄丸・牛車腎気丸

「腎精理論」というものがあります。腎精とは現代でいう精気にあたり、生命活動の根源とされ、高齢者ではこれが失われるために足腰や泌尿器の異常、冷えなどが起こると考えられています。

腎精補充の基本となるのは六味地黄丸(六味丸)であり、これに桂皮と附子を足した八味地黄丸と、さらに牛膝と車前子を足した牛車腎気丸が頻用されます。

どちらも冷えやすく腰から下の痛みやしびれがある際に使用しますが、症状が強い場合には牛車腎気丸がより適します。

ちなみに六味地黄丸(六味丸)はどちらかというと小児の夜尿症や虚弱体質に使用します。高齢者の場合はかゆみやほてりなどに。

疎経活血湯

血行を改善し下半身の痛みやしびれを解消するといった漢方薬です。

血色の悪い人や、夜間に痛むという場合により効果的です。

越婢加朮湯

関節痛に対し、炎症によって局所が熱をもっているような場合に使用されます。

防已黄耆湯

関節痛(特に膝)に対し、水が溜まって痛みが生じている際に使用されます。

芍薬甘草湯

疼痛緩和作用があるため、腰痛や関節痛にも用いられます。ほかの漢方薬と組み合わせることもありますが、甘草の重複による偽アルドステロン症には注意が必要です。

桂枝加(苓)述附湯

どちらかといえば上半身の関節痛や神経痛、屈伸困難に使用します。茯苓を加えた桂枝加苓述附湯は、むくみやめまいを伴う際に。

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