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H2ブロッカーは近年ではPPIに押され処方数は減少傾向ですが、比較的軽症の方や適応外使用なども含め、現在でもよく使用されます。
今回はそれらの使い分けについて、まとめてみます。
※適応外使用はエビデンスがやや弱い可能性もあるため、「そういった使い方をする場合もある」と捉えておいていただけると幸いです。
肝代謝 or 腎排泄
ラフチジン(プロテカジン®︎)のみ肝代謝であることから、高齢者などの腎機能低下例にも減量せず使用できます。
ただし、透析時は「Cmaxが約2倍、約T1/2が2倍、AUCが約3倍」と上昇傾向がみられます。
特に腎機能の低下した高齢者などで、H2ブロッカーとの関連性が否定できない精神症状(せん妄・錯乱)が時々みられるため、排泄経路を変更することも選択肢のひとつです。
小児への使用
ロキサチジン(アルタット®︎)のみ小児用量が記載されており、使用される場合があります。
「体重30kg未満では半量」となっています。
剤形は「カプセル」「細粒」「静注用」。
整形外科領域での適応外使用
「肩関節石灰沈着性腱板炎」に「シメチジン(タガメット®︎)」「ファモチジン(ガスター®︎)」が有効であるとの報告があります。
肩腱板内にリン酸カルシウムが沈着(石灰化)し、激痛を生じることのある病態です。
これらの薬は、石灰化を防止する作用があるとされています。
皮膚科領域での適応外使用
慢性蕁麻疹に対して「H1ブロッカー」「H2ブロッカー」を併用する場合があります。
皮膚に存在するヒスタミン受容体のうちの約15%はH2受容体であるため、併用により効果が増強するといわれています。
H1ブロッカーの濃度を高く維持する作用も報告されています。
また、「尋常性疣贅(いぼ)」に「シメチジン(タガメット®︎)」が用いられる場合があります。
がん領域での適応外使用
「シメチジン(タガメット®︎)」には「がん転移抑制作用」があるとの報告があります。
血管内皮へのがん細胞の接着を抑制することが機序と考えられています。
「ラフチジン(プロテカジン®︎)」には抗がん剤の副作用による口内炎・舌痛症・末梢神経障害を改善するとの報告があります。
カプサイシン感受性知覚神経を介する作用によるものと考えられています。
その他の作用
「ニザチジン(アシノン®︎)」には「消化管運動亢進作用」「唾液分泌促進作用」があります。ドライマウスに使用されることも。
「ラニチジン(ザンタック®︎)」には「エラスターゼ放出抑制→好中球活性化抑制→腹部手術後の臓器障害抑制」といった作用があり、周術期に用いられることがあります。
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