【薬剤師執筆】市中肺炎治療薬の使い分け

薬の使い分け
音声解説はコチラ↓
耳で覚える薬の使い分け〜市中肺炎治療薬〜【薬剤師・勉強】
市中肺炎治療薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。【薬剤師執筆】市中肺炎治療薬の使い分け/※2021/03/15現在の情報です。定期的に更新致しますが、...

市中肺炎は病原微生物によって「細菌性肺炎」「非定型肺炎」に分けられます。

今回は主に外来・薬局で取り扱う市中肺炎の治療薬について、まとめてみます。

細菌性肺炎

細菌性肺炎の原因は

「肺炎球菌」「インフルエンザ菌」
「モラクセラ・カタラーリス」

が主となります。

起炎菌を同定して抗菌薬を選択するのが理想ですが、実際は原因微生物を推定して抗菌薬を用いる「エンピリック治療」を行います。

上記の細菌への抗菌スペクトルを考慮して、βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリンである

・クラブラン酸/アモキシシリン(CVA/AMPC)
 (オーグメンチン®︎ or クラバモックス®︎)
・スルタミシリン(SBTPC:ユナシン®︎)

が第一選択薬となります。

アモキシシリンは1回500mg(小児であれば最大90mg/kg/day)、スルタミシリンは1回750mgのように、添付文書の通常量より高用量が推奨されています。

成人の場合、オーグメンチン®︎単独で増量するとクラブラン酸が過量となり、吐き気や下痢などの消化器症状が出やすくなることから、「オーグメンチン®︎」「サワシリン®︎」を併用してアモキシシリンの量のみを増やす、いわゆる『オグサワ処方』というものも。

また、誤嚥性肺炎は「口腔内嫌気性菌」「口腔内連鎖球菌」が起炎菌となりますが、この際の第一選択薬としてもペニシリン系薬が使用されます。

第二選択薬としては「キノロン系薬」が記載されています。

成人におけるキノロン系薬は「レスピラトリーキノロン」と呼ばれる、呼吸器感染症に奏功しやすい薬剤が主に使用されます。

具体的には以下の薬です。

・ガレノキサシン(GRNX:ジェニナック®︎)
・シタフロキサシン(STFX:グレースビット®︎)
・レボフロキサシン(LVFX:クラビット®︎)
・モキシフロキサシン(MFLX:アベロックス®︎)

小児の場合は、安全性が確認されている「トスフロキサシン(TFLX:オゼックス®︎)」が使用されます。

ペニシリンアレルギーや、慢性の呼吸器疾患がある場合などにもキノロン系薬は適しています。

ペニシリン系薬に感受性の低いBLNARインフルエンザ菌に対しては、第三世代セフェムの注射薬などが有効です。

非定型肺炎

「マイコプラズマ」「クラミジア」

が主な起炎菌となります。

マイコプラズマは細胞壁がなく、クラミジアは細胞壁はありますがペプチドグリカンがないため、βラクタム系は無効です。

第一選択薬は

・アジスロマイシン(AZM:ジスロマック®︎)
・クラリスロマイシン
(CAM:クラリス®︎/クラリシッド®︎)
・ミノサイクリン(MINO:ミノマイシン®︎)

ですが、マイコプラズマはマクロライド耐性株が多くなっているため、近年ではミノサイクリンが推奨されています。ただし、8歳未満の小児では永久歯の黄染などを生じることに注意。

第二選択薬としては、細菌性肺炎の項でも挙げた「キノロン系薬」が使用されます。

細菌性か非定型かが明らかでない場合

ガイドラインでは両者をカバーするために「ペニシリン系」+「テトラサイクリン系 or マクロライド系」も選択肢として挙げられています。

キノロン系も有効ですが、耐性菌抑制の観点から安易な使用は推奨されません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました