【薬剤師執筆】抗めまい薬の使い分け

薬の使い分け
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一口にめまいと言っても「グルグル」「フワフワ」「クラクラ」など異なる症状があり、原因も様々です。

今回は「鎮暈薬(ちんうんやく)」とも呼ばれる抗めまい薬について、まとめてみます。

めまいの分類

自覚症状による分類

・回転性めまい
・浮動性めまい
・失神性めまい

に分けられます。

「回転性めまい」は、真の意味でのめまいであり、抗めまい薬の適応となるのは主にこちらです。多くはメニエール病など「耳」の異常で起こりますが、脳幹や小脳に異常がある場合も起こることがあります。

「浮動性めまい」は、脳血管障害によるものや、うつ・不安など心因性のものなどがあります。原因疾患の治療が必要です。

「失神性めまい」は、いわゆる「立ちくらみ」などが含まれ、意識消失感・眼前暗黒感などを伴います。起立性低血圧や貧血、不整脈などが原因となります。

原因部位による分類

「耳」が原因の「末梢性めまい」と、「脳」が原因の「中枢性めまい」があり、これらを合わせて「前庭性めまい」と呼びます。それ以外が原因のものを「非前庭性めまい」と呼びます。

<抹消性めまい>
・メニエール病
・良性発作性頭位めまい
・前庭神経炎
・突発性難聴 など

<中枢性めまい>
・脳血管障害
・脳腫瘍 など

<非前庭性めまい>
・貧血
・自律神経障害
・心身症
・低血圧
・不整脈
・頸椎症 など

があります。

薬剤ごとの特徴

メリスロン®︎(ベタヒスチン)

「内リンパ水腫の除去」が主な作用のため、「耳」が原因の「回転性めまい」が主な適応ですが、脳循環改善作用もあるため、「脳」が原因の「中枢性めまい」にも有効とされます。

セファドール®︎(ジフェニドール)

「椎骨動脈の循環改善作用」「前庭神経路の調整作用」と、メリスロン®︎よりやや中枢近くに作用します。

メリスロン®︎と併用することもあります。

トラベルミン®︎ (ジフェンヒドラミン/ジプロフィリン)

ジフェンヒドラミンは強力な抗ヒスタミン作用・抗コリン作用をもつため、眠気・眼圧上昇・尿閉などに注意が必要です。

どちらかといえば頓服で使用することが多いです。

「トラベル」とある通り、乗り物酔い(動揺病)にもよく使われます。

ドラマミン®︎(ジメンヒドリナート)

こちらも抗ヒスタミン薬ですが、作用はやや弱く、トラベルミン®︎と異なり「緑内障」「前立腺肥大」の禁忌がありません。

アデホス®︎(ATP)

様々な臓器の循環改善作用をもち、めまいにもよく使用されます。

ただし、めまいへの適応は顆粒のみです。

イソバイド®︎(イソソルビド)

メリスロン®︎同様、内リンパ水腫の除去作用をもちます。

味が飲みにくいため、必要に応じて水や柑橘系飲料で希釈することも考慮します。

同成分の「メニレット®︎ゼリー」のような剤形も存在します。

イソメニール®︎ (イソプレナリン)

耳や脳の循環改善作用をもちます。

循環器系への副作用があらわれることがあります。

メリスロン®︎やセファドール®︎の方が副作用が少なく使いやすいため、それらの方が使用頻度は高い傾向にあります。

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