【薬剤師執筆】リン吸着薬の使い分け

薬の使い分け
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耳で覚える薬の使い分け〜リン吸着薬〜【薬剤師・勉強】
リン吸着薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。二次性副甲状腺機能亢進症治療薬の使い分け/※2021/03/03現在の情報です。定期的に更新致しますが、最...

腎不全などをきっかけに起こる二次性副甲状腺機能亢進症に対しては、活性型ビタミンD3製剤・リン吸着薬・カルシウム受容体作動薬を使用します。

今回はそれらのうち、リン吸着薬の比較をメインに、まとめてみます。

二次性副甲状腺機能亢進症の機序

代表的な原因には腎不全があり、腎性副甲状腺機能亢進症ともいわれます。

腎不全になると、ビタミンD3の活性化障害のためにCa↓となり、またリンの排泄障害のためにP↑となります。

するとこれを是正するために副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌されますが、これが続くと副甲状腺が腫大し、PTHを過剰に分泌するようになります。

副甲状腺ホルモンは骨のCaを血中に移行させるため、骨のCaは不足し骨折しやすくなります(腎性骨症)。また、血中のCaは逆に増えるため、不必要な場所で石灰化が起こってしまい(異所性石灰化)、動脈硬化などの原因となります。

これを予防するため、腎不全の際にはCa・P・PTHの管理を行います。

優先順位としてはP>Ca>PTHの順で補正していきます。

Pは食事療法とリン吸着薬で補正します。

Caは活性型ビタミンD3製剤のほか、リン吸着薬にもCaを含むものと含まないものがあるため、それも加味します。

PTHが高い場合は、カルシウム受容体作動薬(レグパラ®︎・オルケディア®︎・パーサビブ®︎)も考慮します。

沈降炭酸カルシウム(カルタン®︎錠/OD錠/細粒)

古典的なリン吸着薬ですが、安定した効果と消化器系副作用が比較的少ないことから、現在でもよく使われます。

他のリン吸着薬と異なりCaを含むため、血中Caが比較的低めの場合に適します。高Caの際に使用すると、異所性石灰化を助長します。

効果発現には胃酸によりCa2+イオンとなる必要があるため、食後時間が経って胃酸が薄まったり、胃酸分泌抑制薬を服用していると効果が減弱する可能性があります。

逆に食事より大幅に早く服用してしまうと、肝心のリン吸着効果が得られず、Caのみが上昇してしまうため、異所性石灰化を助長します。

以上より、添付文書上は「食直後」。食直前〜食直後の間であれば有効といわれています。食事中の服用を指示されることも。

セベラマー(フォスブロック®︎/レナジェル®︎錠)

体内に吸収されないため安全性が高いですが、消化管内で膨潤するため、腹部膨満・便秘の頻度がやや多いです。

リン吸着作用は食直前〜食直後であればほぼ問題ないとされていますが、他薬の吸収を低下させる可能性があるため、添付文書通り「食直前」推奨。

リン吸着力は低めなため、効果を上げるために服用量が多くなる場合があるのがネック。

ビキサロマー(キックリン®︎カプセル/顆粒)

セベラマーと比べ膨潤の程度が小さく、腹部膨満・便秘の軽減が期待できます。

炭酸ランタン(ホスレノール®︎OD錠/チュアブル/顆粒)

リン吸着力は炭酸カルシウムと同等以上。

チュアブルは何度も噛まなければいけませんでしたが、OD錠の発売により服用もしやすくなりました。

食直後服用。悪心・嘔吐がやや多いことからも添付文書通りが妥当です。

クエン酸第二鉄(リオナ®︎錠)

鉄を含有するため腎性貧血を合併する方によい適応となります。

貧血治療薬と同様、黒色便になる可能性があります。

食直後服用。軟便・下痢の頻度がやや多め。ただ、透析患者などは飲水制限もあり便秘になりやすいため、うまく調整できれば有用。

スクロオキシ水酸化鉄(ピートル®︎チュアブル/顆粒)

リオナ®︎と同じく鉄を含有しますが、リオナ®︎に比べ鉄を吸収しにくいため、鉄過剰になりにくいとされています。

チュアブル錠ですが崩壊はしやすいため、ホスレノール®︎チュアブルのように沢山噛まなくてもOK。ただし口内が一時的に茶褐色に着色します。

リオナ®︎と異なり食直前服用。軟便・下痢が多いのはリオナ®︎と同様。

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