音声解説はコチラ↓ 耳で覚える薬の使い分け〜スタチン〜【薬剤師・勉強】スタチンの使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。スタチンの使い分け/※2021/02/26現在の情報です。定期的に更新致しますが、最新の情報は添付文書やガイ...
高LDLコレステロール血症の第一選択薬として広く使われているスタチン。
今回はそれらの使い分けについて、まとめてみます。
スタンダードかストロングか
スタンダードスタチンには
・プラバスタチン(メバロチン®︎) ・シンバスタチン(リポバス®︎) ・フルバスタチン(ローコール®︎)
があり、
ストロングスタチンには
・ロスバスタチン(クレストール®︎) ・アトルバスタチン(リピトール®︎) ・ピタバスタチン(リバロ®︎)
があります。
現在使われているスタチンは、LDL低下効果の高いストロングスタチンが主流です。
これらを更に詳しく比較すると
・ロスバスタチン2.5mg(最大20mg) ・アトルバスタチン10mg(最大40mg) ・ピタバスタチン2mg(最大4mg)
が等価であるといわれています。
最大量を加味して、ロスバスタチンが最強と考えられることが多いです。
ちなみにコレステロールの合成は夜間に亢進するため、スタンダードスタチンは「夕食後(が望ましい)」ですが、ストロングスタチンは半減期が長いため、時間指定はありません。
相互作用の観点から
プラバスタチン・ロスバスタチン・ピタバスタチンはCYPの関与が少ないため、関連する相互作用が抑えられます。
また、ストロングスタチンは肝臓に取り込まれる際、OATP(有機アニオントランスポーター)を介しますが、これを阻害するシクロスポリン(サンディミュン®︎/ネオーラル®︎)との併用で血中濃度が上がるため、「ロスバスタチン」「ピタバスタチン」は併用禁忌です(アトルバスタチンも血中濃度は8.7倍に上昇するらしいので、実質は禁忌に近い)。
同様の機序で、「アトルバスタチン」は抗C型肝炎ウイルス薬のマヴィレットと併用禁忌です。これについても、添付文書上は禁忌でない「ロスバスタチン」「ピタバスタチン」も同等の注意が必要と考えられます。
水溶性か脂溶性か
「プラバスタチン」「ロスバスタチン」は水溶性、その他は脂溶性です。
脂溶性のものは肝臓以外にも分布してしまい、他臓器への副作用が起こりうるため、水溶性を推奨する医師もいます。
耐糖能異常の観点から
近年、スタチンによる糖尿病の新規発症・増悪のリスクが指摘されています。
まだ明確な結論は出ていませんが、スタチンの用量・服用期間に依存してA1cが上昇することが示唆されています。
スタチン間でのリスクの差についてもはっきりとはいえませんが、ピタバスタチンは比較的リスクが低いといわれることがあり、耐糖能が不安な方にはそちらを使用するという医師もいます。
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