【薬剤師執筆】止痢薬の使い分け

薬の使い分け
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下痢には細菌・ウイルスや有害物質を排出する作用があるため、安易な下痢止めの使用は避けるべきです(細菌性下痢には禁忌)。

一方で、過度の下痢は脱水・栄養不良につながるため対応が必要です。

今回は止痢薬について、まとめてみます。

ロペミン®︎(ロペラミド)

効果が強力で汎用されますが、基本的に対症療法薬なので症状発現時の使用に留めます。

抗がん剤による下痢の際は、一時的に大量投与することがあります。

タンニン酸アルブミン

腸粘膜を覆う被膜をつくる(収斂作用)薬です。

牛乳アレルギーの方へは禁忌。

鉄剤と結合するため同時投与禁止。また上記のロペラミドを吸着するため併用注意。

アドソルビン®︎(天然ケイ酸アルミニウム)

腸内の有害物質や水分を吸着します。

その作用から、他剤を吸着し薬効を低下させる可能性があります。特にキノロン系薬、テトラサイクリン系薬など注意。

フェロベリン®︎

植物由来のベルベリンとゲンノショウコの配合薬です。

大きな注意点がなく使用しやすい薬です。

鎮痙薬

腹痛を伴う場合などに鎮痙薬を使用します。

「ブスコパン®︎(ブチルスコポラミン)」「チアトン®︎(チキジウム)」など。

抗がん剤の下痢予防にセンノシド?

抗がん剤のイリノテカンは下痢を起こしやすい薬の筆頭ですが、その投与初日と翌日の就寝前にセンノシドを服用するよう指示されることがあります。

これはイリノテカンの活性代謝物が腸肝循環して停滞し腸を刺激し続けるのを避けるためで、センノシドにより排泄を促す目的があるためです。

合わせて半夏瀉心湯などが処方されることもあります。

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