【薬剤師執筆】漢方薬（女性の更年期・月経関連）の使い分け

女性が悩まされることの多い更年期障害や月経関連症状に対しても、漢方薬はよく利用されます。

女性に対する三大漢方薬とよばれる、桂枝茯苓丸・当帰芍薬散・加味逍遙散などは有名です。

今回はそれらの使い分けについて、まとめてみます。

桂枝茯苓丸

東洋医学でいう実証、すなわち体力があり、胃腸が強く、暑がり、といった体質の人の更年期障害や月経関連症状に用いられます。

痛み・皮膚症状が強い際は「桂枝茯苓丸加薏苡仁」なども。

東洋医学でいう虚証、すなわち体力がなく、胃腸虚弱、冷え性・貧血・疲れやすい、といった体質の人の更年期障害や月経関連症状に用いられます。

桂枝茯苓丸や加味逍遙散と異なり牡丹皮を含まないため、流早産のリスクが低く、妊娠中でも使いやすい漢方薬です。

体質としてはやや虚弱で、抑うつやイライラといった精神症状が目立つ更年期障害や月経関連症状に用いられます。

体質としては桂枝茯苓丸が適するものに近い人で、特に便秘を訴える際に適します。

月経関連症状に用いられることが多く、特に体上部の症状、例えばのぼせやめまい、不安やイライラなどを改善します。

冷えや、乾燥による肌トラブルのある場合に用いられます。下半身は冷えるが、逆に上半身に熱がこもるため手掌はほてるような時に適します。

黄連解毒湯と四物湯の合方であり、月経により肌の色つやが悪い人の更年期障害や月経関連症状に用いられます。

体表や胃腸の冷えを改善します。疼痛や消化器症状がある場合に適します。