【薬剤師執筆】漢方薬(不眠)の使い分け

薬の使い分け

不眠に用いられる睡眠薬は多数ありますが、転倒リスクや依存性、認知機能障害などを懸念して漢方薬が選択されることもあります。

今回はそれらの使い分けについて、まとめてみます。

帰脾湯

体力がなく、胃腸が弱い人の不眠に使用します。

加味帰脾湯

帰脾湯に柴胡と山梔子を加えたもの。不安やイライラが強い際により適します。山梔子が入っているため下痢に注意。

柴胡加竜骨牡蛎湯

体力があり、不眠のほか不安や動悸といった精神症状がある際に使用します。

桂枝加竜骨牡蛎湯

体力がなく、不眠や動悸、性的不定愁訴を訴える際に適します。

黄連解毒湯

高血圧・のぼせ・ノイローゼなど熱がおよんだことで神経が高ぶる際の不眠・不安に用いられます。

三黄瀉心湯

高血圧・のぼせ・ほてりなど熱がおよんだことによる不眠・不安に用いられます。

酸棗仁湯

心身が疲労して眠れない場合に使用します。神経が高ぶっている際は上記2種などを。

抑肝散

小児から高齢者まで利用できる応用範囲の広い漢方薬ですが、近年では特に認知症の周辺症状(BPSD)である興奮・徘徊・不眠などによく使われます。

抑肝散加陳皮半夏

抑肝散に近いですが、悪心・嘔吐があったり虚弱な場合にこちらを使うことがあります。

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