「頑張るな」「嫌われろ」「好きなことだけやれ」「生産性がすべて」「これだけやれば全部解決」などなど…
書店に並べられた本やネット上の記事などには、このような、ある種「極論」ともいえる話が溢れています。
私自身、そのような本も好きで良く読みますし、示唆に富んだ考え方も多いのは事実です。
しかし、実際はそれをそのまま取り入れるのは難しく、読んだものの結局あまり生かせないという人も多いのではないでしょうか。
本や記事は極論を書いたほうが売れやすく読まれやすいですが、現実に必要なものは様々な方法を状況に応じて使い分けるバランス感覚だと思います。
今回はそんなお話を書かせていただこうと思います。
頑張る:頑張らない
近年は「頑張らないブーム」が来ているのか、そういった本などをよく目にします。
私もそれらの意見に賛成で、頑張り過ぎな人はぜひそういった本を読んでいただきたいとも思います。
ただ、実際はどうしても頑張らざるを得ないシーンがあったり、気付くと頑張ってしまっていたりすることがあると思います。
結論、それはそれでいいと思います。別に頑張ったっていいんですよね。頑張る姿が尊いのは、今も昔も変わりません。
ここで提案するのは、頑張り気味と思ったらブレーキを踏み、怠け過ぎだと思ったらアクセルを踏むというバランス調整です。
「他人と比べて頑張っているか」はどうでもいいです。自分の中で「頑張った」「疲れた」と思ったら、迷わずブレーキを踏む。そして動ける時は思い切りアクセルを踏む。
そのためには、普段から自己洞察力を磨いておき、どちらかに偏らないよう注意しておくことが大切です。
まあ、微妙な時もあるので、その時はとりあえず休んじゃえ。笑
好かれる:嫌われる
アドラー心理学を題材にした「嫌われる勇気」がベストセラーとなりましたが、実際に「嫌われてもいい」と開き直ったり、承認欲求を捨てることは、簡単ではないでしょう。
これも別に完全に達観する必要はないというのが私の考えです。
もちろん、他人に迎合し過ぎて常に自分を押し殺すのは苦しいですが、かといって自己中に振舞って本当に嫌われまくったら社会的に生きづらくなります。笑
ある程度、相手に合わせるのもコミュニケーション術であり、優しさでもあります。
ただ、「いつも」相手に合わせていては自分を無視した生き方となり疲れてしまいます。
ですので「時には」嫌われる勇気を持って、自分の意見を言ったり、わがままを言ってみたり、自分の好きなように振る舞ってみたりしてもよいでしょう。
バランスを意識していれば、実際はそれでも案外嫌われなかったりするものです。
「他人のための行動」と「心のままの行動」をうまく併用することです。
好きなこと:嫌いなこと
「好きなことだけすればいい」といった内容の本もいくつかありますね。
これについても、そのような方針で生きるのは大いに賛成ですが、現実は面倒なこともやらなければいけない時はあります。笑
ただし、「やりたくないこと」「やらなくてはいけないこと」ばかりをしていてはストレスが溜まる一方です。
とはいえずっと遊んでばかりで仕事も家事もしないとなったら、ただのダメ人間ですよね(病気などで行動できない場合などは除く)。
ですからこれもバランス。嫌いなことをやったら、次は好きなことをやる、といったように調整を意識するわけです。
そのようにして脳を元気にしてやれば、意外に嫌なこともやる気力が出たりするので、体感的な「面倒度」が減る可能性もあります。
あと、「面倒なことだけど、なるべく好きなようにやる」「面倒なことをやらずに済む方法を考える」というのも大切です。
単純に面倒なことから逃げるのではなく(時には逃げてもいいのですけど)、頭を使って解消するという感じでしょうか。
「嫌い」をさばきつつ、周りに「好き」を集めるように行動していくことが大切です。
悩む:悩まない
人はどうしても「悩みゼロ」が最高だと思いがちですが、これを目指してしまうといつまで経っても理想の状態に近づけず苦しんでしまいます。
少しでも悩みが生じると反応し、これじゃダメだと躍起になる。これは永遠の戦いです。笑
もっと気楽に構えて、「悩みはあっていい」と肯定するだけで、直接の解決にはならないまでも、肩の荷が降りることもあります。
もちろん、思考の大半が悩みとなってしまうのは好ましくないので、「悩み比率」が大きくなってきたら、ほかに意識を向けることも大切ですけどね。
強さ:弱さ
「もっと強くなりたい」と考えている人は多いですが、私は「人の弱さ」というものも好きで、それも魅力のひとつだと思っています。
誰かの弱さをみれば力になりたいと思うし、誰かが弱さを打ち明けてくれれば深く付き合える気がするし、異性の弱さを目にすれば逆にときめくことだってあります。笑
もちろん強くなろうと思うからこそ成長できるということもあるので、その気持ちも大切です。
これも両方持っているべきものです。
強くなろうとする気持ちと、弱さを認め受け入れる気持ち。
それらが合わさってこそ、本当の「最強」ではないでしょうか。
緩:急
「オン:オフ」「活動:休養」「交感神経:副交感神経」などと言い換えることもできます。
人生はずっと同じ力加減で生きることは不可能です。
忙しい時期、トラブルがあった時、逆に波に乗っている時、ライフイベントが重なる時期など、「頑張りどき」といったタイミングが必ずあります。
私は基本ダラっと生きることを推奨していますが、やるべき時、やらざるを得ない時というのもあるのです。
とはいえ、緩急の「急」をずっと続けていては身が持ちません。心や体を壊します。
ですから、「急」のあとは「緩」、「緩」のあとは「急」といったように、交互に切り替えることが大切です。
一日の間では、日中は動き、夜はリラックスといった感じです。これによりメンタルも睡眠も自律神経も整います。
メリハリを効かせて生活していきましょう。
愛:金
「私と仕事、どっちが大切なの?」ってやつです。笑
どっちも大切で比べるものではないということはわかると思いますが、これもどちらかに偏ると問題が起こります。
例えば仕事を頑張り過ぎた結果、疲労で家族サービスができなかったり、仲間にイライラするようであれば、本当に大切なものを見失いかけている可能性があります。
かといって、家族や友達大好きだけど仕事をしない、でも困りますよね。
どっちも全力で向かい合えれば一番ですが、そこまでタフでいられるとも限らないので、どちらかに偏っていると思ったらそちらはいったん手を抜いて、もう片方に意識を向けたりすることも大切です。
また、お金は大切ですが、あまりにお金に縛られた生き方も寂しいように思います。
この辺りの比重は人によって全然違いますが、自分が本当に大切なものは何かと考え、その割合が少なくならないよう注意しましょう。
心:体
現代人の消耗の仕方は「心>体」となっていることが多いですが、本来はこれらをバランスよく使うことが理想です。
心ばかり使っていれば、いずれ心が疲弊します。
ですから、「少し心ばかり使い過ぎてるな」と思ったら、体を動かしましょう。
体を動かせば心を休ませることができます。そうして心が回復したら、今度は体を休ませて頭を使う。
こうすれば、どちらか一方に負担を強いることがなくてすみます。
メンタルが疲れている人の多くが、どうにかしようと、さらに頭を使ってしまい、負のスパイラルに陥ってしまうことがよくあります。
そうならないよう、心と体をうまく使い分けていければよいと思います。
終わりに
今回は様々なバランスのお話をさせていただきました。
こういったことは、意識しないとどんどん偏っていってしまうものです。
「こっちでなきゃダメ」と極論で考えず、どちらも大切にしながら、最終的には心地よくうまくいく形を見つけていってほしいと思います。
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