【薬剤師執筆】非結核性抗酸菌症治療薬の使い分け

薬の使い分け
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耳で覚える薬の使い分け〜非結核性抗酸菌症治療薬〜【薬剤師・勉強】
非結核性抗酸菌症治療薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。非結核性抗酸菌症治療薬の使い分け/※2021/03/20現在の情報です。定期的に更新致しますが...

結核が減少しつつあるのに対し、患者数が増加傾向にある非結核性抗酸菌症。

症状は比較的軽度のことが多く、人から人へ感染はしないといわれておりますが、治療には抗生物質をやや長期に服用する必要があります。

今回はその治療薬について、まとめてみます。

非結核性抗酸菌とは

非結核性抗酸菌とは、抗酸菌のうち結核菌群と特殊栄養要求菌を除いた菌群の総称です。

そのうちMAC(Mycobacterium avium complex)による「肺MAC症」が約80%、Mycobacterium kansasii による「肺カンサシ症」が約10%、その他、迅速発育菌による感染症などがあります。

肺MAC症の薬物治療

key drug はクラリスロマイシン(CAM)であり、そこにリファンピシン(RFP)・エタンブトール(EB)を加えた3剤併用療法が標準となります。

重症例などでは数ヵ月、ストレプトマイシン(SM)やカナマイシン(KM)の併用(筋肉注射)を行うこともあります。

RFPが効果不十分・使用困難な際はリファブチン(RBT)を使用することも可能です。

それぞれの用量は以下の通りです。

CAM:600〜800mg(15〜20mg/kg)/日
    分1 or 2(800mgは分2)
RFP:300〜600mg(10mg/kg)/日 分1
EB:500〜750mg(15mg/kg)/日 分1
SM/KM:15mg/kg(1000mg以下) 週2〜3回
RBT:通常300mg/日 分1
   (RBT:RFP≒300:600)

このうちRFPは食前投与となっていますが(食前のほうが血中濃度が上昇する)、胃腸障害やコンプライアンスを重視し、食後に投与することも少なくありません。

CAM単独投与は耐性菌の出現が警告されているため避けるべきですが、高齢者などは初めから3剤で開始すると胃腸障害・味覚障害などの副作用があらわれることがあるため、1週間ごとに1剤ずつ追加するなどの方法がとられることがあります。

EBによる視力障害、RBTによるぶどう膜炎などが起こることがあり、予防のためRBTは低用量から開始することもあります。

CAM・RFPはCYP関連の併用禁忌・注意が多いです。

RFPは皮膚や体液がオレンジ色に着色することがあります。

治療期間は、排菌陰性化後1年間は継続とされていますが、明確なエビデンスはなく、それを超えて継続することを推奨する意見もあります。

肺カンサシ症の薬物治療

肺MAC症と異なり key drug はRFPで、そこにEB・INH(イソニアジド)を加えた3剤併用療法が標準的です。

RFP・EBの用法・用量は肺MAC症と同様で、INHは5mg/kg(300mg/日まで)とされています。

INHの特徴的な副作用としては神経障害があり、ビタミンB6製剤を併用することがあります。

頻度は低いですがRFP耐性の場合、CAM・アミノグリコシド系薬・キノロン系薬・ST合剤などが使用されることもあります。

治療期間は12〜18ヵ月が推奨されています。

迅速発育菌の薬物治療

抗結核薬に耐性を示すことが多く、治療の難しい感染症です。

各種抗菌薬に対する感受性検査を行い、その結果に基づいて多剤併用療法を実施します。

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