【薬剤師執筆】慢性膵炎治療薬の使い分け

薬の使い分け
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耳で覚える薬の使い分け〜慢性膵炎治療薬〜【薬剤師・勉強】
慢性膵炎治療薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。【薬剤師執筆】慢性膵炎治療薬の使い分け/※2021/02/10現在の情報です。定期的に更新致しますが、...

過度の飲酒が原因となることが多く、腹痛や背部痛、消化不良による下痢や体重減少、糖尿病などを引き起こす慢性膵炎。

今回はその治療薬について、まとめてみます。

慢性膵炎の病期

慢性膵炎は、本来膵臓内では不活性型である消化酵素が何らかの原因で活性化し、膵臓を自己消化してしまう疾患です。

代償期→移行期→非代償期

という過程を経て進行します。

代償期ではまだ膵臓の機能が保たれており、膵液分泌異常による腹痛が生じることがあります。

進行して非代償期となると、膵臓の機能が低下し膵液も分泌されなくなるため、腹痛は軽減しますが消化不良や糖尿病が起こってきます。

腹痛に対する薬物療法

慢性膵炎の腹痛には「NSAIDs」が一般的に有効とされています。

無効な際は弱オピオイドである「トラマドール」も考慮されます。

強オピオイドが必要になることもありますが、依存性や消化管運動に対する副作用に注意。

「フオイパン®︎」などの蛋白分解酵素阻害薬は、膵酵素の活性化抑制作用をもちます。

「ブスコパン®︎」などの抗コリン薬は、鎮痙作用に加えて膵外分泌抑制作用をもちます。

「消化酵素薬(以下参照)」も、腹痛軽減効果があります。

膵外分泌不全に対する薬物療法

膵液の分泌不全は消化吸収不良による脂肪便、体重減少を引き起こします。

そのため多くの場合、失われた消化酵素を補うために消化酵素薬の投与が推奨されます。

一般的に、リパーゼ力価の高い腸溶性ミクロスフィア製剤である「リパクレオン®︎(パンクレリパーゼ)」が使用されます。

「エクセラーゼ®︎」などは力価が低く、膵外分泌不全に使用する場合は大量投与が必要となります。

ちなみにリパクレオン®︎カプセルは1日12cap(1回4cap)であり、1シート12capとなっています。計数ミスが起こりやすいため注意。

リパーゼ活性が失活しないためには pH>4 が必要とされているため、胃酸分泌抑制薬との併用が有効という報告もあります。

膵性糖尿病に対する薬物療法

慢性膵炎における糖尿病は、膵β細胞減少によるインスリン分泌不全に起因するため、治療はインスリン療法が基本となります。

インスリン分泌能が保たれている場合は、経口血糖降下薬が有効な場合もあります。

慢性膵炎では消化吸収不良などにより低血糖が起こりやすくなっているため注意が必要です。

<参考>
・糖尿病薬の使い分け
・インスリン製剤の使い分け

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