オンジェンティス・エンレスト・エナジア・アテキュラ・ダーブロック・バフセオ・タブレクタ

新薬情報

オンジェンティス®︎(一般名:オピカポン)

適応は「レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」。

コムタン®︎に続くCOMT阻害薬。

コムタン®︎は半減期が短く頻回に投与する必要があったのに対し(最大8回/日)、オンジェンティス®︎は1日1回の投与で済みます。

錠剤の大きさもコムタン®︎と比べると小さく、利便性が向上しています。

用法が「レボドパ・DCI配合剤の投与前後及び食事の前後1時間以上あけて服用」とやや煩雑ですが、臨床試験では「就寝前」に投与されており、実際もこれにならった使用が多くなると思われます。

重度の肝機能障害には禁忌。

抗パーキンソン病薬の使い分けも参照していただけたら嬉しいです。

エンレスト®︎(一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)

適応は「慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)。

サクビトリルとバルサルタンを1:1のモル比で含む「アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)」。

ネプリライシンとは様々なペプチドを分解する酵素で、血圧・心臓にとって「善玉」のANP•BNP(内因性ナトリウム利尿ペプチド)や、「悪玉」のアンジオテンシンⅡなどを分解します。

ただネプリライシンを阻害するだけでは「善玉」「悪玉」ともに増えてしまうため、この薬ではバルサルタンを加え、「悪玉」のアンジオテンシンⅡの方はブロックさせ、結果として「善玉」のANP•BNPの「血管拡張」「血圧低下」「心保護作用」などが発揮されるようになっています。

ACE阻害薬またはARBから切り替えて使用しますが(併用はしない)、ACE阻害薬は中止後36時間あける必要があります(血管浮腫防止のため)。

他剤を使用しても心不全症状が改善しないケースに投与が検討されるものと思われます。

「ラジレス®︎(アリスキレン)服用中」「重度の肝機能障害」「妊娠中」は禁忌。

エナジア®︎(一般名:インダカテロール酢酸塩/グリコピロニウム臭化物/モメタゾンフランカルボン酸エステル)

適応は「気管支喘息(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入β2刺激剤及び長時間作用性吸入抗コリン剤の併用が必要な場合)」。

ICS/LABA/LAMAの3剤配合剤は「テリルジー®︎」「ビレーズトリ®︎」が存在していますが、どちらも適応が「COPD」であったため、「気管支喘息」としての製剤は国内初。

3剤を1日1吸入で済むため、重症の気管支喘息の方のアドヒアランス向上に貢献できると思われます。

「オンブレス®︎」「シーブリ®︎」「ウルティブロ®︎」と同じくブリーズヘラーにカプセルをセットして使用します。何気に気管支喘息が適応のブリーズヘラーも国内初。

他剤との比較については、別記事「吸入薬の使い分け」を参照していただけたら嬉しいです。

アテキュラ®︎(一般名:インダカテロール酢酸塩/モメタゾンフランカルボン酸エステル)

エナジア®︎からLAMAであるグリコピロニウムを抜いたもの。

重症の方などで将来的にエナジア®︎の使用を意識する際などは、前段階の2剤併用の時点でアテキュラ®︎を使用しておくと、デバイスの変更がなくスムーズに移行できます。

アテキュラ®︎の規格は「低用量」「中用量」「高用量」の3つで、エナジア®︎の規格は「中用量」「高用量」の2つです。

実は「中用量同士」「高用量同士」でモメタゾンの配合量が異なるのですが、「肺に到達する粒子量は同程度」との記載があるため、「アテキュラ®︎中用量→エナジア®︎中用量」のように同じ規格同士で切り替え可能と思われます。

ダーブロック®︎(一般名:ダプロデュスタット)&バフセオ®︎(一般名:バダデュスタット)

適応は「腎性貧血」。

腎性貧血はエリスロポエチン(EPO)の不足が主な原因であり、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)が第一選択薬でしたが、注射剤のため利便性に劣ることが問題でした。

今回承認された「ダーブロック®︎」「バフセオ®︎」は「HIF-PH阻害薬」に属します。

「HIF-PH」とは「低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素」の略で、これを阻害することによりHIFの不活化が抑制されると「EPO産生促進」「鉄吸収促進」「赤血球へのトランスフェリン取り込み促進」により腎性貧血が改善します。

類薬として「エベレンゾ®︎(ロキサデュスタット)」がありますが、現在の適応は透析期のみ(保存期も承認申請中)であり、保存期(透析導入前)の腎性貧血に内服で使用できる薬剤としては初めてとなります。

タブレクタ®︎(カプマチニブ)

適応は「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。

MET阻害薬とよばれる分子標的薬。類薬に「テプミトコ®︎」があります。

非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)は遺伝子変異によって様々な分子標的薬を使い分けるのですが、これはそのうちの1種となります。

略してMETex14変異とよばれるこの遺伝子変異は、EGFR変異などと比べると頻度は少ないですが、肺がんの予後不良因子として重要です。

肺がんは死亡率の高い疾患であるだけに、今後の実績に期待が寄せられる薬です。

詳細は別記事「肺がん治療薬の使い分け」を参照していただけたら嬉しいです。

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