【薬剤師執筆】抗C型肝炎ウイルス薬の使い分け

薬の使い分け
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耳で覚える薬の使い分け〜抗C型肝炎ウイルス薬〜【薬剤師・勉強】
抗C型肝炎ウイルス薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。【薬剤師執筆】抗c型肝炎ウイルス薬の使い分け/※2021/02/08現在の情報です。定期的に更新...

専門医による処方が主なため一般の薬局で調剤することは少ないかもしれませんが、併用禁忌・注意が多く扱いの難しい抗C型肝炎ウイルス薬。

今回はそれらの使い分けについて、まとめてみます。

セログループとジェノタイプ

C型肝炎ウイルス(HCV)は「1a,1b,1c,2a,2b,2c,3a,3b,4,5a,6b」といったジェノタイプ(遺伝子型)に分類され、わが国では「1b,2a,2b」が主となります。

さらに「1a,1b,1c」はセログループ1、「2a,2b,2c」はセログループ2との分類もあります。ジェノタイプ検査は保険適応外であるため、日常診療ではこちらのセログループ検査が汎用されています。

抗HCV薬はジェノタイプによって有効性が異なるため、治療前にこれらを判定することが必要となります。

現在ではジェノタイプを問わず治療可能な「パンジェノタイプ」の薬剤が登場し、HCV治療も最終段階まで来たといわれています。「マヴィレット®︎」「エプクルーサ®︎」がこれに該当します。

第一選択薬

かつてはインターフェロン(IFN)注射とリバビリンの併用療法が標準でしたが、ダクルインザ®︎/スンベプラ®︎の2剤併用療法を皮切りに、IFNフリー治療が広く推奨されるようになりました。

代表的なものが「ハーボニー®︎」「マヴィレット®︎」のいずれかの配合薬で、「ジェノタイプ1•2の慢性肝炎・代償性肝硬変」ではどちらも第一選択薬として使用されます。

ジェノタイプを問わず治療可能な「パンジェノタイプ」であるマヴィレット®︎は、「ジェノタイプ3〜6」に対しても使用可能です。

「非代償性肝硬変(進行し、黄疸・腹水・肝性脳症・食道静脈瘤などの肝不全症状が出現した状態)」の場合は、「エプクルーサ®︎」が唯一適応をもっています。

各薬剤の特徴

現在、主に使用されている直接作用型抗ウイルス薬(DAA)は、インターフェロン治療と比較して「忍容性が高い」「注射の必要がない」「治療期間が短い」などのメリットがあります。

以下ではDAAについて記載します(販売中止となったものについては割愛します)。

ハーボニー®︎(ソホスブビル/レジパスビル)

国内第3相試験において、ジェノタイプ1型に対しては100%、ジェノタイプ2型に対しては96%と、高いSVR率(治療効果判定基準:Sustained Virological Response)を示した薬です。

肝硬変の有無・遺伝子多形・年齢・ウイルス量による治療効果の差もみられていません。

1日1回1Tと服用が簡便で、投与期間は12週間です。

高度腎機能障害または透析の方へは禁忌です。

CYP関連の禁忌が多いほか、「アミオダロンとの併用は可能な限り避ける」「PPI併用時は空腹時に本剤と同時投与する」など特徴的な記載もあるため、添付文書を要確認。

マヴィレット®︎(グレカプレビル/ピブレンタスビル)

「パンジェノタイプ」であり、ジェノタイプ1〜6型すべてに対して高い抗ウイルス活性を示します。

耐性を獲得しにくいことが示されており、他のDAAによる前治療不成功例にも有効です。

成人のほか12歳以上の小児にも使用可能で、1日1回3T。セログループ1または2のC型慢性肝炎の初回治療の場合は8週投与と、短期で終了するメリットもあり。

腎機能障害でも使用可能で、併用禁忌薬も他剤に比較すれば少なめ。スタチンとの相互作用があり、特にアトルバスタチンは禁忌であるため注意(OATP1BおよびBCRP阻害作用による)。

エレルサ®︎/グラジナ®︎(エルバスビル/グラゾプレビル)

有効性の高い薬ですが、適応がセログループ1に対してのみであることが、ややネックです。

エレルサ®︎1T/グラジナ®︎2Tを1日1回、12週間投与します(併用)。

他剤と同様、併用禁忌・注意が多いため注意。

エプクルーサ®︎(ソホスブビル/ベルパタスビル)

「前治療を有するC型慢性肝炎・C型代償性肝硬変」「C型非代償性肝硬変」が適応であり、進行・難治例に対する治療薬としての位置づけ。

前者に対してはリバビリン(コペガス®︎/レベトール®︎)との併用で24週間、後者に対しては単独で12週間投与します。

「マヴィレット®︎」と同様「パンジェノタイプ」であり、ジェノタイプ1〜6型すべてに対して抗ウイルス活性を示します。

高度腎機能障害には禁忌なほか、他剤と同様、併用禁忌・注意が多いため注意。

また、併用することのあるリバビリンは催奇形性(精液中に移行するため男性も注意)があるほか、禁忌疾患なども多いため合わせて確認が必要です。

「アミオダロンとの併用は可能な限り避ける」「PPI併用時は本剤を食後投与後、4時間の間隔をあけてオメプラゾール換算量で20mgを投与する」など特徴的な記載もあるため、添付文書を要確認。

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