【薬剤師執筆】尿路感染症治療薬の使い分け

薬の使い分け
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耳で覚える薬の使い分け〜尿路感染症治療薬〜【薬剤師・勉強】
尿路感染症治療薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。【薬剤師執筆】尿路感染症治療薬の使い分け/※2021/03/16現在の情報です。定期的に更新致します...

膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症も頻度の多い疾患であり、日常診療にて遭遇することも多いです。

主なものは「膀胱炎」「腎盂腎炎」であり、「単純性尿路感染症」「複雑性尿路感染症」に分けられます。

今回はその治療薬について、まとめてみます。

単純性尿路感染症

単純性尿路感染症の多くは急性で、基礎疾患のない女性に多くみられます(尿道が短く膀胱内に細菌が侵入しやすいため)。

急性膀胱炎に始まり、時に細菌が腎盂に逆流し急性腎盂腎炎を起こします。

起炎菌の多くは大腸菌であり、これをターゲットに治療方針を立てます。

以前はキノロン系薬を3日程度投与することで軽快することが多かったのですが、現在ではキノロン耐性大腸菌が増加しており、セフェム系薬やβラクタマーゼ配合ペニシリン系薬を5〜7日程度使用することが増えています。

ただし、グラム陽性菌の場合は感受性の高いキノロン系薬が適当です。

また、近年ではESBL産生大腸菌(ESBL:基質特異性拡張型βラクタマーゼ)が問題となることがあり、ペニシリン系やセフェム系薬のほかキノロン系薬にも耐性を示す場合があります。この際は

<経口>
・ファロペネム(ファロム®︎)
・ホスホマイシン(ホスミシン®︎)
<注射>
・カルバペネム系薬
・βラクタマーゼ配合ペニシリン系薬

などが有効とされています。

さらに近年では正常細菌叢への悪影響(collateral damage)を考え、抗菌スペクトルの狭い

ST合剤(バクタ®︎) 4T/分2     3日分

などを第一選択薬とするケースが増えています。

複雑性尿路感染症

主に高齢者など基礎疾患を有する方に起こり、慢性化したり、再発・再燃を繰り返すことが多いです。

特に泌尿器疾患を抱えていたり、糖尿病や服用薬の影響で免疫が低下している方は注意が必要です。

起炎菌としては大腸菌の割合が減り、グラム陽性菌など様々な細菌が関与するようになります。そのため、尿培養・薬剤感受性試験が重要となります。

エンピリック治療としては経口のキノロン系薬やβラクタマーゼ配合ペニシリン系薬などを使用しますが、耐性菌が検出された場合にはカルバペネム系薬やβラクタマーゼ配合ペニシリン系薬の注射剤などに切り替える場合もあります。

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