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呼吸器症状として一般的な咳。
細菌・ウイルスを排除するための生理的な反応であり、安易に抑えない方がよいという意見もありますが、必要に応じて鎮咳薬は処方されます。
今回はそれらの使い分けについて、まとめてみます。
中枢性鎮咳薬(非麻薬性)
副作用が少なく、第一選択的に使用されることが多いです。
代表的な薬剤の特徴を記載します。
メジコン®︎(デキストロメトルファン)
非麻薬性の中では鎮咳作用が強め。
去痰作用はないため、痰の少ない咳に向きます。
副作用は少ない方ですが、念のため眠気や便秘に注意。
添付文書上は「小児に対する安全性は確立していない」ため、小児科では別の薬が使われることが多いです(禁忌ではない)。
MAO阻害薬との併用はセロトニン症候群のリスクがあるため禁忌とされています。
アスベリン®︎(チペピジン)
小児科ではメジコン®︎よりもこちらが処方されやすいです。
去痰作用もありますが強くはないため、去痰薬と併用することも多いです。
赤色尿になることがありますが心配不要です。
強く振ると泡立ってしまうため、使用前は優しく転倒混和するよう説明を。
アストミン®︎(ジメモルファン)
便秘作用を示さないとの記載あり。
その他
「フスタゾール®︎(クロペラスチン)」「フラベリック®︎(ベンプロペリン)」は弱い気管支拡張作用があるとされています。
中枢性鎮咳薬(麻薬性)
非麻薬性で効果不十分な際などに使用されます。
痰の粘度を高め気道を閉塞するリスクがあるため喘息の悪化には注意を払う必要があります。
12歳未満の小児に対しては、海外で死亡を含む呼吸抑制のリスクが指摘されていることから、2019年に禁忌となりました。
鎮咳作用としてはコデインよりジヒドロコデインの方が2倍程度強いです。
一部は「麻薬」扱いなことに注意。それぞれの「原末」「散10%」と「コデインリン酸塩錠20mg」がそれにあたります。
フスコデ®︎は「ジヒドロコデイン」「エフェドリン」「抗ヒスタミン薬」の配合剤。カフコデ®︎はさらに「アセトアミノフェン」「ジプロフィリン」「ブロモバレリル尿素」も配合。
成人遷延性・慢性咳嗽への対応
わが国で発刊された「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン」では、遷延性咳嗽(3~8週間)・慢性咳嗽(8週間以降)の対応が記載されています。
「咳喘息(気管支拡張薬無効)」では、ICS(吸入ステロイド)を基本に、適宜LABA(長時間作用型β刺激薬)を併用。
「アトピー咳嗽/咽頭アレルギー(慢性)」では、抗ヒスタミン薬を使用。
「胃食道逆流症(GERD)」では、PPIを使用。
「副鼻腔気管支症候群(副鼻腔炎などの上気道炎と気管支炎などの下気道炎が継続する病態)」では、マクロライド系抗菌薬を使用。
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