【薬剤師執筆】緑内障治療薬の使い分け

薬の使い分け
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糖尿病性網膜症と並び、失明の主な原因となる緑内障。

治療のメインは点眼薬で、効果不十分な際は併用療法も珍しくなく、配合剤も多数開発されています。

今回はそれらの使い分けについて、まとめてみます。

プロスタグランジン(PG)関連薬

「プロスト系」は緑内障治療の第一選択薬です。

「眼圧低下効果が高い」「全身性副作用が少ない」「持続性があり1日1回の点眼でよい」「長期連用による効果減弱がない」などが使用される理由です。

「まつ毛が長くなる」「彫りが深くなる」「虹彩・まぶたの色素沈着」など、美容上問題となる副作用があります。予防のため、点眼を「洗顔前」や「入浴前」にして、点眼後に目の周りについた薬を洗い流すとよいでしょう。充血や角膜上皮障害があらわれることもあります。

EP2受容体作動薬である「エイベリス®︎(オミデネパグ イソプロピル)」は、充血は起こりますが、美容上の副作用がありません。白内障手術などで眼内レンズを挿入している場合などは、黄斑浮腫のリスクがあるため禁忌です。

「プロストン系」である「レスキュラ®︎(イソプロピルウノプロストン)」は現在あまり使用されませんが、作用が mild で1日2回、という特徴があります。

以下、プロスト系について比較します。

キサラタン®︎(ラタノプロスト)

わが国で最初に発売されたプロスト系。

先発品は冷所保存であることが難点(開封後は室温)でしたが、近年発売されたジェネリック医薬品の中には室温保存でよいものも多く、利便性が向上しています。

タプロス®︎(タフルプロスト)

国内で開発されたプロスト系。

防腐剤のベンザルコニウムを含まず1回使い切りの「タプロス®︎ミニ」という製剤もあります。

唯一「エイベリス®︎と併用禁忌」であることに注意。羞明(光に対し眩しく感じる・目が痛くなる)や虹彩炎が高頻度に認められているためです。

トラバタンズ®︎(トラボプロスト)

防腐剤のベンザルコニウムを含まず、角膜上皮障害が少ないとされています。

保存が「1〜25℃」であるため、夏場などは注意。配合剤である「デュオトラバ®︎」は室温。

ルミガン®︎(ビマトプロスト)

他のプロスト系と作用する受容体がやや異なり、眼圧低下効果がやや高いという報告があります。

β遮断薬

「気管支収縮」「徐脈」「血圧低下」などの全身性副作用に注意が必要ですが、眼圧低下効果は高いです。

交感神経亢進による房水産生が活発なのは日中のため、理論上は朝に点眼する方がよいとされています。

現在はPG関連薬との配合剤も多く販売されており、どちらかというと単独よりも併用薬として用いることが多くなっています。実際、多くの配合薬に「チモロール」が配合されています(ザラカム®︎・タプコム®︎・デュオトラバ®︎・コソプト®︎・アゾルガ®︎)。

持続型である「チモプトール®︎XE」「リズモン®︎TG」「ミケラン®︎LA」は1日1回でOK。複数点眼時は「他と10分以上あけて」「最後に」点眼。

ベタキソロール(ベトプティック®︎)はβ1選択性が高く、喘息の禁忌が外れています。

炭酸脱水酵素阻害薬

眼圧低下効果はPG関連薬・β遮断薬よりやや劣りますが、第二選択以降・併用薬として有用で、β遮断薬との配合剤もあります(コソプト®︎・アゾルガ®︎)。

1日2回(トルソプト®︎は3回)なのがネック。

共通の副作用として「苦味」、ドルゾラミド(トルソプト®︎・コソプト®︎)は「目にしみる」、ブリンゾラミド(エイゾプト®︎・アゾルガ®︎)は「目がかすむ」などに注意が必要です。

内服の「アセタゾラミド(ダイアモックス®︎)」は点眼が使用できない際や、緊急時・周術期などの急性期に使用されることがあります。皮膚症状・消化器症状・電解質異常などに注意。

α2刺激薬

「アイファガン®︎(ブリモニジン)」。

眼圧低下効果はPG関連薬・β遮断薬よりやや劣りますが、第二選択以降・併用薬として有用です。

神経保護作用があるとされており、今後の研究が期待されます。

1日2回なのがネック。

全身症状として「眠気」「ふらつき」「徐脈」「血圧低下」があらわれる可能性があります。他の目薬にもいえることですが、点眼後、数分「目頭を押さえる」ことで全身症状を予防することも大切です。

Rhoキナーゼ阻害薬(ROCK阻害薬)

「グラナテック®︎(リパスジル)」。

第二選択以降の薬として使用します。他と作用点が異なるため、難治性の場合の併用薬としても有用です。

1日2回なのがネック。

結膜充血がかなりの割合で起こります。たいてい1〜2時間で治まりますが、異常が続くようなら相談を。

その他

α1遮断薬の「デタントール®︎」、α1β遮断薬である「ハイパジール®︎コーワ/ニプラノール®︎」、交感神経非選択性刺激薬である「ピバレフリン®︎」などがあります。

使用頻度は低いため、ここでは割愛します。

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