病院で処方せんを貰ったら、薬局へ持って行き調剤してもらうことになります。
多くの人はあまり深く考えず、病院近くの薬局へそのまま持っていくのではないでしょうか。
もちろんそれでもよいのですが、今回は薬剤師としての視点から、薬局の賢い利用法について解説します。
薬局によって内容・金額は変わる?
これは「ほぼ」変わらないです。
「医師の書いた処方をもとに」「国で定められた金額に従い」調剤するので、そこは薬局独自に変更はできません。
ただし、ジェネリックに変更する場合、どのメーカーのジェネリックを採用するかは薬局毎に決められるため、メーカーは変わる可能性があります(有効成分は同じ)。
また、「ジェネリックをたくさん置いている」「かかりつけ・在宅機能が充実している」など一定の基準をクリアした薬局には「加算」が認められたり、逆に「特定の病院の処方せんがメインで、広い地域に貢献できていない」などの場合は「減算」されるので、その違いによって「数十円〜数百円」変わる場合があります。
病院門前 vs 門前以外
病院門前のメリットは「その病院で処方される薬であれば、ほぼ在庫が揃っている」「薬剤師はその病院の処方傾向などをより理解している」「近い」などです。
反面、「ピーク時は待ち時間が長く、薬剤師と詳しく話す時間が少なくなる場合がある」などのデメリットもあります。
処方せんを渡して必要事項を話したらいったん外出させてもらい、混雑が収まる頃に取りに行くという手もあります。
門前以外の薬局の最大のデメリットは、「処方せんに書いてある在庫がない場合がある」ことでしょうか。近隣薬局から調達できる場合もありますが、それが無理だと卸に発注をかける必要があるので、早くて数時間、夕刻以降で卸が動いていないと翌日以降となってしまうことがあります。
特にすぐに飲みたい薬の場合は困ってしまうので、事前に電話で在庫があるか確認しておくのも手です。
門前以外のメリットとしては、「比較的混雑度合が緩やかで、ゆっくり相談しやすい場合がある」「近所の買い物のついでに行ける」などでしょうか。
最近ではドラッグストアにも処方せん調剤を受け付けている所がありますね。
薬剤師の選び方
ここは正直、書くべきか迷ったのですが。笑
当然ですが、薬剤師にも色々な人間がいるので、可能であれば「この人なら信頼できそう」という人を見つけ、かかりつけ薬剤師になってもらうとよいです。
特に、薬の種類が多い方や、薬の悩みが多い方、健康のことをもっと相談したい方にとっては、薬局薬剤師は「身近な専門家」として頼れる存在です。
一方で、薬はシンプルで毎回ほぼ変わらず、仕事もあるから早く貰って帰りたい、なんて人は、スタッフがテキパキしている薬局を選ぶか、空いている薬局を探すのもよいでしょう(でも最低限の監査・指導はさせてくださいね)。
気になる「いい薬剤師」の選び方ですが…
まずはフィーリングでしょうか(笑)。第一印象は大切ですからね。
あとは、気になることを質問してみるとよいです。熱心な薬剤師は、質問されることが好きです。面倒臭そうにする薬剤師は、次から別の方にしてもらいましょう。
スピード重視で、とにかく処方せんを捌く!というタイプの薬剤師もいます。早く帰りたい人にとってはこういう薬剤師がいるところが向きます。逆に色々相談したい人にとっては不向きかもしれません。
それとやはり一番は、こちらの体調を気にしてくれる薬剤師でしょうか。
「いつもの薬が出てます。ではお会計は…」みたいな方もたまにいますが、これでは薬剤師というかただの店員だ!笑
特に慢性疾患では薬局薬剤師とも長い付き合いになるもの。
私としては、薬局薬剤師を「一番身近な医療人」と思って、使ってやってほしいなと思います。
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