【薬剤師執筆】 GLP-1受容体作動薬の使い分け

薬の使い分け
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耳で覚える薬の使い分け〜GLP-1受容体作動薬〜
GLP-1受容体作動薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。受容体作動薬の使い分け/※2021/02/14現在の情報です。定期的に更新致しますが...

GLP-1やGIPの分解を抑制するDPP-4阻害薬に対して、受容体に直接作用するGLP-1受容体作動薬。

同系統の作用機序と思われますが、臨床上の効果・副作用にはいくつかの違いが存在します。

今回はそれらの使い分けについて、まとめてみます。

向いているケース

ひとつの特徴として「食欲抑制」「体重減少」作用が挙げられます。

具体的な機序については不明な点も多いのですが、GLP-1受容体作動薬は血液脳関門を通過して摂食中枢にも作用するなどの理由が考えられます。

これを期待して「肥満傾向」の方に使用される場合があります。

糖尿病薬の使い分け』でも述べましたが、DPP-4阻害薬は肥満傾向の方では効果が減弱する可能性があるため、肥満の場合はGLP-1受容体作動薬がより適していると考えられます。

具体的には、BMIが25〜30以上がボーダーとなりそうです。

また、GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬を直接比較した試験では、GLP-1阻害薬の方が血糖改善作用が大きかったという報告があり、臨床でもそのような意見が多いです。

薬剤間の違い

週1回投与の注射剤として

・トルリシティ®︎(デュラグルチド)
・ビデュリオン®︎(エキセナチド)
・オゼンピック®︎(セマグルチド)

があります。

操作が簡便な「トルリシティ®︎」が人気ですが、最後に発売された「オゼンピック®︎」は「さらに簡便」「A1c低下・体重減少作用大」「用量調整が可能」というメリットがあることから、今後処方が増えてくることが予想されます。

またこのセマグルチドは「リベルサス®︎」というGLP-1アナログ初の内服薬も発売され、今後の動向に注目が集まっています。

ただし「連日、起床後、空腹時に少量の水で内服し30分飲食不可」と利便性にやや難があります。

連日投与の注射剤としては

・ビクトーザ®︎(リラグルチド)
・バイエッタ®︎(エキセナチド)
・リキスミア®︎(リキシセナチド)

があります。

ビクトーザ®︎・リキスミア®︎は1日1回、バイエッタ®︎は1日2回です。

痩せ薬として…?

先に述べたように、GLP-1作動薬には食欲抑制・体重減少作用があることから、一部の国では「抗肥満薬」として使用されています。

わが国でも「ダイエット注射」として使用しているクリニックがあります。

確かに肥満には各種疾患のリスクがあり、比較的副作用リスクの少ないGLP-1受容体作動薬が有効であるケースもあります。

一方で、これらには「急性膵炎」「腸閉塞」「胎児毒性」などの報告もあり、安易な使用は控えるべきでしょう。

医療者には正しい使用、患者様には正しい理解が望まれるところです。

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