「身を粉にして働く」にメリットなし!

生きるヒント

国際比較におけるわが国は、労働生産性21位、一人当たりGDP26位と、先進国の中ではかなり低い位置にあり、「長く働いている割に効率が悪い」と揶揄されることが多いです。

私は経済については専門外なので、これが正確な捉え方なのかどうかはわかりかねますが、「ダラダラと長く働く」ことについては、医療従事者として警鐘を鳴らしたいところです。

長時間労働は、脳卒中・心血管疾患・生活習慣病・うつ病などのリスクを上昇させます。

長時間労働により睡眠不足となると、これも上記の疾患や認知症のリスクを上昇させます。

長時間労働により交感神経(活動神経)に偏り、副交感神経(リラックス神経)が働かず、自律神経が失調し、うつ・不眠・不定愁訴(原因のよくわからないあちこちの不調)などが起こります。

長時間労働によりプライベートがなくなり、幸福度が低下します。

にもかかわらず

「頑張るとは、長く働くことだ!」

「定時に終わらなければ残業すればいいや」

「いつも遅くまで頑張って偉いね〜」

などと、長時間労働を肯定するような言動はいまだに散見されます(近年、改善の方向に向かってはいますが)。

その価値観が良いか悪いかはともかく、健康・生産性の観点からはマイナスしかないのは、もはや常識となっています。

定時に帰るつもりで仕事をした方が、集中力も高まりますし、時間管理のスキルも身につきます。

また、長時間労働では集中力もモチベーションも低下してくるのは当たり前の話で、なおさら生産性は低下します。

長時間労働を肯定するというのは、「半日で100点の仕事をした」よりも「1日かけて80点の仕事をした」ことを褒めているようなもの。

なんか、滑稽ですよね。笑

こういう言い方をすると、「結局要領の悪い人はダメ」のようになってしまいますが、そういう意味ではありません。

前述の通り、長く働くこと(仕事・家事含め)により、健康を害する方が多いので、多くの人がそれを見直すことにより、元気で過ごしてほしいのです。

ですから、仕事も家事も、「どうせ時間がかかるもの。そうやって頑張るしかない」なんて思わずに、どうすればムダを省いて効率良くこなせるかを考えてほしいと思います。

社会貢献ではなく、自らの心身の健康のために、「幸せな時間」を増やせるよう、意識していきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました