【薬剤師執筆】切迫流・早産治療薬の使い分け

薬の使い分け
音声解説はコチラ↓
耳で覚える薬の使い分け〜切迫流・早産治療薬〜【薬剤師・勉強】
切迫流・早産治療薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。切迫流・早産治療薬の使い分け/※2021/04/26現在の情報です。定期的に更新致しますが、最新の...

流産(妊娠22週未満の妊娠の中断)や早産(妊娠22週以降37週未満の分娩)の危険がある状態を、それぞれ切迫流産・切迫早産といいます。

今回はそれらの薬の使い分けについて、まとめてみます。

※実際は顕性絨毛膜羊膜炎や破水の有無により、ターミネーション(分娩誘発/帝王切開)やステロイド/抗菌薬なども使用しますが、ここでは外来で一般的に使用される内服薬について解説します。

子宮収縮抑制薬

現在、切迫流・早産治療薬(いわゆる張り止め)として一般的に使用される薬です。

リトドリン(ウテメリン ®︎)が有名で、他にイソクスプリン(ズファジラン®︎)・ピペリドレート(ダクチル®︎)などがあります。

添付文書上は

・ウテメリン ®︎:妊娠16週未満には投与しない
・ズファジラン®︎:妊娠12週未満には投与しない

とされているため、妊娠週数により使い分けることもあります。

妊娠初期は薬物治療はあまり有効でなく、薬物治療の開始の目安は妊娠16週以降とする意見もありますが、16週未満で不正出血がみられる際などにズファジラン ®︎またはダクチル®︎を使用することがあります。

作用機序は

・ウテメリン ®︎:β2刺激薬(子宮選択性が高い)
・ズファジラン®︎:β刺激薬
・ダクチル®︎:抗コリン薬

であり、ウテメリン ®︎とズファジラン®︎は動悸が起こりやすく、ダクチル®︎は抗コリン性の副作用が起こりやすいです。

ただ近年では、ウテメリン ®︎による胎児・新生児の心血管系リスクが指摘されており、使用に対する慎重論も出てきています。

黄体ホルモン薬

切迫流・早産に対して使用されることがあります。

上記の子宮収縮抑制薬と併用する場合もあります。

一般に、安全性の高いジドロゲステロン(デュファストン®︎)が用いられます。

カルシウム拮抗薬

わが国では適応外処方となりますが、海外ではカルシウム拮抗薬であるニフェジピンも使用されています。

リトドリンと同等以上の子宮収縮抑制効果があり、副作用も少ないという意見もあります。

米国産婦人科学会(ACOG)で推奨されている用法・用量は「速放製剤を初回30mg、以後4〜6時間おきに10〜20mg」です。

降圧薬として一般に使用する量より多めですね。過降圧・動悸・便秘など注意。

わが国では使用実績が少なく、流通している剤型も主に徐放製剤であるため、使い方は難しいところですが、今後海外に合わせて使用頻度が増加してくるかもしれません。

ちなみに添付文書上、妊娠20週未満には禁忌です(妊娠20週以降は有益性投与)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました