キャブピリン®︎(一般名:ボノプラザン/アスピリン)
タケキャブ®︎10mgとバイアスピリン®︎100mgの配合剤。
タケルダ®︎の上位互換といったところ。
消化性潰瘍の既往がある場合など、低用量アスピリンの長期投与に伴うリスクが高い方へ向くと思われる。
反面、リスクが高くなければタケルダ®︎で十分では?というのが個人的な見解。
ルムジェブ®︎(一般名:インスリンリスプロ)
ヒューマログ®︎を更に速攻にし持続も短くした、いわば「超超速攻型インスリン」。
生理的なインスリン分泌に近づけた製剤とのこと。
食事前2分〜食事開始後20分以内に注射。
HbA1cの改善効果に関してはヒューマログ®︎に対し非劣性、食後血糖の上昇低減効果に関してはヒューマログ®︎より優れるという結果。
ちなみに、合わせる形で、低血糖時に点鼻治療が可能なバクスミー®︎(グルカゴン)も承認された。
ソリクア®︎(一般名:インスリングラルギン/リキシセナチド)
持効性インスリンのランタス®︎とGLP-1アナログのリキスミア®︎の配合剤。
同系統の組み合わせとしては、トレシーバ®︎とビクトーザ®︎の配合剤であるゾルトファイ®︎がある。
単独のGLP-1アナログとしては、週1回製剤のトルリシティ®︎の人気がやや高いが、合剤にすることで、それに追いつくことができるか。
アイラミド®︎(一般名:ブリモニジン/ブリンゾラミド)
α2受容体作動薬のアイファガン®︎と炭酸脱水酵素阻害薬のエイゾプト®︎の配合剤。
この組み合わせは国内初。
緑内障の第一選択薬はプロスタグランジン関連薬だが、治療抵抗性の場合、多剤併用となることも少なくない。
その際、点眼回数が多いと利便性を多く損ねるため、このように色々な組み合わせの配合剤が開発されることは悪くない。
ちなみに、α2受容体作動薬は神経保護作用があるといわれることや、炭酸脱水酵素阻害薬はβ遮断薬のように夜間の薬効が落ちることがないことなどがメリット。
メラトベル®︎(一般名:メラトニン)
「小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善」を適応とする顆粒剤。
神経発達症とは自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥・多動症(ADHD)などを含む概念。
ASDでは50〜80%、ADHDでは25〜50%に睡眠障害を併発するといわれる。
メラトニン受容体作動薬としてはロゼレム®︎があるが、メラトニンそのものとしての医薬品は本邦初。
フルボキサミンが禁忌、食事と同時or食直後で血中濃度が下がる、などはロゼレム®︎と同様。
ラツーダ®︎(一般名:ルラシドン)
「統合失調症」「双極性障害のうつ症状」を適応とする非定型抗精神病薬。
ドパミンD2受容体・セロトニン5-HT2A受容体・セロトニン5-HT7受容体を遮断、セロトニン5-HT1Aに対し部分作動薬として働く。
ヒスタミンH1・ムスカリンM1受容体に対してはほとんど親和性を示さない。
5-HT7はまだ謎の多い受容体であるが、遮断により抗うつ・抗不安効果があるといる報告がある。
5-HT1A刺激も抗うつ効果が期待できる(タンドスピロンなどと同様)。
H1への親和性が低いため、鎮静効果(眠気)が低い可能性あり。一方で5-HT2Aを遮断するため、睡眠の質を改善する可能性もあり。
M1への親和性が低いため、抗コリン作用も低いか。
CYP3A4を強く阻害する薬剤は禁忌。クラリスロマイシンも禁忌。
食事の影響を受けやすく、食後の方が血中濃度が上がる。添付文書上は食後投与。
コメント