思い込みで体調が悪くなる「ノシーボ効果」とは

医学・薬学

「プラシーボ効果」という言葉は聞いたことのある方も多いと思います。

「これは薬です」と言って偽薬を服用させると、本来効果はないはずなのに症状が改善するという現象です。

医薬品の臨床試験の際には、これを上回る効果があるかを確かめます。

特にメンタル疾患の場合、偽薬を投与されたグループも結構な割合で症状が改善されてしまうため、それを超える効果が証明できず、承認されなかったなんてケースもあります。

このプラシーボ効果と逆の現象が「ノシーボ効果」です。

「この薬は効かない、あるいは副作用が出る」と言われて服用すると、実際にその通りの悪影響が出てしまう、という現象です。

ある研究では、吐き気を起こす薬だと伝えて砂糖の錠剤を与えたところ、被験者の80%が実際に吐き気を催したそうです。

また、自分は心臓発作で死ぬと思っている方がはそうでない人と比べ、実際に心臓発作を起こす割合が高かった、という報告もあるそうです。

患者さんの中にも、あまり副作用を説明すると影響を受け過ぎてしまい、せっかくの薬を飲み続けられなくなってしまう方がいます。

説明する薬剤師も、この辺りのさじ加減を調整するスキルが必要ですね。

ともあれ、ここで私が特に伝えたいのは

「心持ち次第で体調は良くも悪くもなる」

ということです。

「調子が悪い」という暗示を自分にかけ続けてしまうと、慢性的に不調になってしまう場合もあるのです。

特にメンタル疾患などは、この傾向が強いです。

もちろん本当に調子の悪い時はそれに気づいて対処することも必要ですが、「自分はいつも調子が悪い」などと固定観念をつくってしまうと、その通りになってしまうこともあります。

悪いところばかりに注目せず、調子の良い時にも目を向けて、心身ともに健康で過ごしていきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました