【薬剤師執筆】花粉症市販薬の選び方

市販薬の選び方

つらい花粉症。これさえなければ春は過ごしやすいのに!なんて人も多いですよね。

今回は一般の人向けに、なるべくわかりやすく選び方を解説してみます。

今回はこの5種を比較!

①クロルフェニラミン(エスタック鼻炎カプセル®︎など)

②フェキソフェナジン(アレグラFX®︎など)

③エピナスチン(アレジオン®︎など)

④ロラタジン(クラリチン®︎など)

⑤セチリジン(コンタック鼻炎Zなど®︎)

これらは抗ヒスタミン薬と呼ばれ、アレルギー性鼻炎で一般的に使われるものです。

「第一世代」と呼ばれる①は眠気・口の渇きなどの副作用が強く、第二世代と呼ばれる②〜⑤はそれらの副作用が抑えられています。

どれが強いの?

強さ比較はあくまで目安ですが、概ね以下のようになります。

1位: クロルフェニラミン(エスタック鼻炎カプセル®︎など)

2位: セチリジン(コンタック鼻炎Zなど®︎)

3位: エピナスチン(アレジオン®︎など)

同率4位: フェキソフェナジン(アレグラFX®︎など)・ロラタジン(クラリチン®︎など)

一般的に第一世代の方が効果は高いとされます。

一般の方にとって意外なのは2位のセチリジン(コンタック鼻炎Zなど®︎)ではないでしょうか。

医療用ではジルテック®︎という商品があり、第二世代の中では比較的効果が高めで、良く使われる薬です。

CMで有名なアレグラ・アレジオン・クラリチンの陰に隠れていますが、知っておいてほしい薬のひとつです。

速く効くのは?

第二世代は効果が安定するまでに数日〜数週間かかる場合があります。

ですから症状が出てからではなく、花粉が飛び始めた日から薬を飲み始めることが推奨されています。

症状が出てから飲み始めたら効かないということではありませんが、その際は「すぐには効かないかも」ということを念頭に入れて、しばらく継続しましょう。

眠くなりにくいのは?

眠気に関する注意書きがないのは

・フェキソフェナジン(アレグラFX®︎など)

・ロラタジン(クラリチン®︎など)

の2つです。

運転や危険な作業、注意力を要する仕事の方はこちらを。

この2つは効き目も同等なため、1日2回のアレグラか、1日1回のクラリチンか、で選ぶと良いでしょう。

同じく第二世代の

・エピナスチン(アレジオン®︎など)

・セチリジン(コンタック鼻炎Zなど®︎)

も眠気は軽減されていますが、注意はするよう記載がされています。

第一世代のクロルフェニラミン(エスタック鼻炎カプセル®︎など)は眠気・口の渇きなどが出やすいです。

ただし、抗ヒスタミン薬による眠気は数日で耐性ができやすいため、生活上支障のない方は眠気に慣れればこちらで良い場合もあります。

アレグラは効かない!?

と実際に服用した方の感想としてよく耳にします。笑

確かに薬効は高い方ではありませんが、実はアレグラには隠れた注意点があり、知らずに効果を下げてしまっている場合があります。

それは

・食後に服用すると吸収が低下する

・果汁ジュースにより吸収が低下する

といったことです。

説明書には「空腹時にも服用できる」と書いてありましたが、むしろ「空腹時に服用するべき」とも言えます。

グレープフルーツジュース・リンゴジュース・オレンジジュースに関しても、アレグラを飲む前後2時間程度は避けておくと、より効果を発揮できます。

おまけ〜点鼻薬〜

点鼻薬には

・ステロイド(フルナーゼ®︎など)

・血管収縮薬(ナザール®︎など)

があります。

ステロイド点鼻薬は医療用でも良く使用されており、単独・あるいは飲み薬との併用で効果が期待できます。

ただし、使ってすぐ効くわけではないため、しばらく継続しましょう。

血管収縮薬は、ひどい鼻詰まりなどの時に使用すると良く効きます。

ただし、連用すると薬剤性鼻炎というものになるリスクがあり、薬をやめると鼻症状がすぐに再発し、点鼻薬の依存状態のようなものになることがあります。

使うとしても一時的なものに留めておいてくださいね。

ちなみに、医療用では血管収縮薬はあまり使われません。

終わりに。

簡潔にまとめるつもりが長くなってしまった。笑

季節性で、命に関わるものではないとはいえ、生活の質を大きく下げる花粉症。

今回紹介したものは医療用でも良く使われるものです。

病院に行くより自分で合うものを選んだ方がいいこともありますので、参考にしていただけたらと思います。

もちろん、医療用医薬品は更に多くの薬があるので、市販で対応できない場合は受診しましょう。

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