【薬剤師執筆】ADHD治療薬の使い分け

薬の使い分け
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耳で覚える薬の使い分け〜ADHD治療薬〜【薬剤師・勉強】
ADHD治療薬の使い分けを解説しています。音声のみで恐縮ですが、通勤途中や寝る前、スキマ時間の勉強に。文章をご希望の方はブログをご参照ください。治療薬の使い分け/※2020/12/11現在の情報です。定期的に更新致しますが、最新の情報は添...

以前は子供の病気としてのイメージでしたが、近年では成人に対する診断・治療も増えてきたADHD。

仕事・生活に支障が出やすく、うつ病などとの併発も少なくありません。

今回はその治療薬の使い分けについてまとめてみたいと思います。

メチルフェニデート(コンサータ®︎)

主にドパミンに作用。ドパミン・ノルアドレナリンの再取り込みを阻害するほか、直接ドパミンを放出させる作用もあり、後述のビバンセ®︎とともに中枢神経刺激薬に分類されます。

効果がはっきりとあらわれやすく、作用のオンオフを実感されやすい薬です。

数回の服用で効果を実感する方も少なくありません。

用量依存的に改善効果が期待されますが、不注意が優勢な症例においては、比較的低用量で有効性が認められる場合があります。

覚醒作用があり、不眠に注意(午前中に服用)が必要ですが、裏を返せば過眠傾向のあるADHD患者へ有効ともいえます。

持続は12時間程度。就業時のみ服用し、休日は休薬するなどの使い方をすることもあります(ドラッグホリデー法)。

特に血中濃度が高まる昼など、食欲低下がやや起こりやすいかもしれません。小児の場合、成長抑制などにも注意が必要。

理論上、チック(後述)を悪化させる可能性があるため、運動性チック・トゥレット症候群には禁忌です。ただしこれに関しては、チック症状を悪化および誘発させない可能性も示されており、今後の研究が待たれます。

2019年より、医療機関だけでなく患者も登録制となり、より厳密な管理が必要となりました。そのため処方のしやすさという点では、アトモキセチンやグアンファシンの方が有利かもしれません。

<チックについて>
本人の意思とは関係なく、首を振る・まばたき・物を蹴る・飛び上がるなどの運動(運動チック)や、突然声をあげる・咳払い・汚い言葉を言う・人の言葉を繰り返すなどの発声(音声チック)がみられます。

これらが絡み合い1年以上経過したものがトゥレット症候群。

ドパミン受容体の過感受性が原因のひとつといわれています。

アトモキセチン(ストラテラ®︎)

主にノルアドレナリンに作用。ノルアドレナリンを中心に再取り込みを阻害します(非中枢神経刺激薬)。

中枢神経刺激薬と比べると作用は mild。

コンサータ®︎がシングルタスクへの集中力を上げるのに対し、ストラテラ®︎はマルチタスクをこなしやすくなるといわれることもあります。

持続は24時間程度で、効果があらわれ始めるまでに1〜2週間程度かかります。

コンサータ®︎・ビバンセ®︎のような規制がないため、使いやすいともいえます。悪心・嘔吐、傾眠などにはやや注意。

液剤もあり、嚥下困難者にも対応可能です。

小児限定ですが、コンサータ®︎ or ストラテラ®︎で効果不十分であった場合にもう片方への切替を行うと、4割程度に改善反応がみられたという報告があります。

グアンファシン(インチュニブ®︎)

後シナプスに作用し神経伝達物質の漏れを防ぐ薬です。

他薬と異なり交感神経系を抑制する方向に働くため、過活動・攻撃的行動がみられる方などの鎮静にも有効です。

一方、不注意にはやや効果が弱いとされています。

持続は24時間程度で、効果があらわれ始めるまでに1〜2週間程度かかります。

もともとは降圧薬であったため、血圧低下・傾眠に注意。また、妊娠中は禁忌です。

リスデキサンフェタミン(ビバンセ®︎)

コンサータ®︎と類似の作用。海外ではコンサータ®︎以上の治療効果が示されている研究もありますが、日本ではまだ未知数です。

名前から想像できる通り、覚せい剤原料。コンサータと同様、流通管理が厳格です。

現状、適応は小児のみ、かつセカンドラインでの選択肢。主に他薬で効果不十分な際の選択肢となります。

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