ドウベイト®︎(一般名:ドルテグラビル/ラミブジン)
抗HIV薬のため緊急収載された。
初回から2剤のみで治療可能な、初の抗HIV薬。
2剤の配合剤としては他にジャルカ®︎(一般名:ドルテグラビル/リルピビリン)があるが、こちらは他レジメンからの切り替え用。
HIV治療は長期に渡るため、患者の高齢化・併用薬との相互作用・アドヒアランスなどを鑑みると、少ない薬剤数かつ1錠のみで治療可能な薬剤の登場は喜ばしいところ。
治療効果が得られれば今後の主流となっていくことが予想される。
1錠のみのSTR(Single Tablet Regimen)としては他に
・スタリビルド®︎(テノホビル/エムトリシタビン/エルビテグラビル/コビシスタット)
・コムプレラ®︎(テノホビル/エムトリシタビン/リルピビリン)
・トリーメク®︎(ドルテグラビル/ラミブジン/アバカビル)
がある。
トリーメクからアバカビルを抜いたものがドウベイトであり、トリーメクと同様、食事に関係なく内服可能なことも強み。
ピフェルトロ®︎(一般名:ドラビリン)
新規の非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)。
前述のドウベイトは治療の簡素化として有用だが、ウイルスの耐性化がみられるケースも少なくはないため、追加の併用薬として期待される。
こちらも食事の影響を受けない点でメリットがある。
デエビゴ®︎(一般名:レンボレキサント)
ベルソムラのマイナーチェンジ。
作用機序的には、オレキシン2受容体への親和性が強いことから、ノンレム睡眠の導入を促し、より速やかな作用発現が期待される、とのこと。
だがそれよりもCYP関連の禁忌がベルソムラよりも緩和されていることが、大きなメリットでしょう。
特にクラリスロマイシンとの相互作用はベルソムラでは度々ネックとなっていましたからね。
ただし、CYP阻害作用の強い薬剤との併用時は2.5mgで。
最大10mg。中等度肝機能障害では5mgまで。ベルソムラと異なり高齢者用の上限量はなし。
コレクチム®︎軟膏(一般名:デルゴシチニブ)
アトピー性皮膚炎に、新たな治療選択肢が加わった。
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害作用により、免疫を調整する。
ユリス®︎(一般名:ドチヌラド)
久々の尿酸排泄促進薬。
我が国の抗尿酸血症の薬60%は尿酸排泄低下型と言われるため、理論上は排泄促進薬が良いはずだが、現状は相互作用や肝機能障害などの問題から、生成阻害薬がメインで使われている。
本薬はその欠点が減じられており、どう評価されていくかに期待。
でもやっぱり、結石予防に尿のアルカリ化は必要か。
リンヴォック®︎(一般名:ウパダシチニブ)
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害作用をもつ関節リウマチ治療薬。
同系統の作用機序のものとしては
・オルミエント®︎(一般名:バリシチニブ)
・スマイラフ®︎(一般名:ペフィシチニブ)
・ゼルヤンツ®︎(一般名:トファシチニブ)
がある。
難治性患者への選択肢が増えたことになるが、比較情報などはまだ乏しいため保留。
ニュベクオ®︎(一般名:ダロルタミド)
イクスタンジ®︎(一般名:エンザルタミド)、アーリーダ®︎(一般名:アパルタミド)に続く「去勢抵抗性(ホルモン療法を行ってもダメな)前立腺がん」治療薬。
評価は今後待ち。
CYP関連の相互作用が少ないことは利点。
ノクサフィル®︎(一般名:ポサコナゾール)
新規のアゾール系抗真菌薬。
既存薬との比較は、まだ大した情報は得られていません。ごめんなさい。笑
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