音声解説はコチラ↓- YouTubeYouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。
近年も様々な作用機序の薬が開発されており、多岐にわたる抗てんかん薬。
てんかん自体の発作型も多彩なため、理解の難しい分野だと思います。
今回は抗てんかん薬の使い分けについて、まとめてみたいと思います。
※2010年の発作型国際分類では「部分発作」ではなく「焦点発作」の項目がありますが、2018年のガイドラインでは旧分類にしたがい「部分発作」「全般発作」に分けて説明されているため、当解説もそれに準拠させていただきます。
第一選択薬
日本のてんかん診療ガイドライン2018・アメリカの「エキスパート・オピニオン」・イギリスのNational Institute for Health and Care Excellence(NICE)によるメタアナリシスの評価をまとめると、第一選択薬は概ね以下のようになります。
全般てんかん(強直間代発作・欠伸発作・ミオクロニー発作・脱力発作)
- バルプロ酸(デパケン®︎/バレリン®︎/セレニカ®︎)
※欠伸発作ではエトスクシミド(エピレオプチマル®︎/ザロンチン®︎)も。次いでラモトリギン。
※ミオクロニー発作ではクロナゼパム(ランドセン®︎/リボトリール®︎)なども。
部分てんかん(単純部分発作・複雑部分発作・二次性全般化発作)
- カルバマゼピン(テグレトール®︎)
- ラモトリギン(ラミクタール®︎)
- レベチラセタム(イーケプラ®︎)
※次いで、ゾニサミド(エクセグラン®︎)・トピラマート(トピナ®︎)。
※アメリカの「エキスパート・オピニオン」ではラコサミド(ビムパット®︎)も高評価。
挙児希望女性
- ラモトリギン(ラミクタール®︎)
- レベチラセタム(イーケプラ®︎)
※催奇形性少ない
高齢者
- ラモトリギン(ラミクタール®︎)
- レベチラセタム(イーケプラ®︎)
- ラコサミド(ビムパット®︎)
※相互作用少ない
併用療法での選択薬
第一選択薬での治療でうまくいかない場合、併用を考慮することも多いです。
組み合わせとしては様々なものが考えられますが、薬物相互作用には注意が必要です。
カルバマゼピンやフェニトインはCYPやグルクロン酸抱合を誘導し、トピラマート・ペランパネル・ラモトリギンなどの血中濃度を低下させます。
ラモトリギンはバルプロ酸と併用すると、グルクロン酸抱合の競合により、半減期が約2倍に延長するため、減量(初回は隔日投与)が必要です。
ガバペンチン・レベチラセタム・ラコサミドなどは相互作用が少なく併用しやすいです。
ちなみに現在のところ
・クロバザム(マイスタン®︎) ・ガバペンチン(ガバペン®︎) ・トピラマート(トピナ®︎)
は併用療法としてのみの適応。
投与すべきでないもの
カルバマゼピン・ガバペンチンは、欠伸発作やミオクロニー発作を増悪する場合があります。
・ミオクロニー発作と単純部分発作 ・強直間代発作と二次性全般化発作
などの鑑別は重要です。
コメント
[…] 抗てんかん薬 […]